防災のプロに聞いた!大雨・地震災害で本当に必要な防災グッズ10選・実はいらない物4選

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日本では毎年のように大雨・地震災害などが発生しています。災害に備えて日ごろから防災グッズを用意している家庭も多いでしょうが、防災グッズは種類も多くすべてをそろえるのは大変です。また避難所へ持っていける防災グッズも限られます。

防災グッズはただ集めるだけでなく、避難を想定して本当に必要なものとそうでないものを厳選して分けておくことも大切です。災害の種類によって必要な防災グッズも変わってきます。

この記事では、大雨・地震災害で本当に必要な防災グッズ10選といらないグッズ4選を紹介します。急に災害が発生してもすぐに対応できるように本当に必要な防災グッズを用意しておきましょう。

大雨 ・地震による災害と避難

日本の災害で多いのは大雨災害や地震災害ですが、それぞれ性質がまったく異なる災害です。防災のポイントも災害の種類で異なります。

まずは大雨・地震により、どのような災害が起こるか、どのように避難することになるかを知っておきましょう。

大雨災害

大雨災害には、

  • 大雨による浸水や河川の氾濫による家屋の浸水
  • 土砂災害による家屋の倒壊

などがあります。

浸水や氾濫、土砂災害はいきなり発生するのではなく、大雨が降ってから発生する災害です。大雨は台風や梅雨前線、低気圧などがもたらしますが、気象情報から事前にある程度は予想ができます。避難情報をしっかりチェックして早めに行動すれば時間や気持ちに余裕をもって避難できます。

地震災害

地震災害には、

  • 津波
  • 建物倒壊
  • 火災の発生
  • 土砂崩れ
  • 液状化現象

などがあります。

いずれも地震が発生した直後に起こるため、大雨災害と違って突然被災するのが特徴です。つまり、事前に予想することができず、直ちに避難が必要になります。普段から防災対策がきちんとできているかどうかで被災後の生活が大きく変わります。

大雨・地震災害 で必要になる防災グッズ10選

大雨・地震災害で共通して必要になる防災グッズ10選を紹介します。
なお、食料や飲料などは1週間分用意するのが理想ですが、1週間分を用意するのが難しい場合、最低でも3日分は用意しておきましょう。

(以下の表は3日分を想定)

必要な防災グッズ 単身世帯 単身世帯 4人世帯
(父母・子ども2名)
6人世帯
(祖父母・父母・子ども2名)
1. 水 9ℓ 36ℓ 54ℓ
2. 食料品
(レトルト、缶詰、栄養補助食品等)
6食分 大人12食分
子ども12食分
大人24食分
子ども12食分
3. 消毒
(除菌シート、アルコール)
1人×3日分 4人×3日分 6人×3日分
4. 日用品
(生理用品、救急セット、歯ブラシ)
1人×3日分 4人×3日分 6人×3日分
5. モバイルバッテリー・充電器 1個 1~2個 2~4個
6. 手動発電機のライト 1つ 2つ 3つ
7. 装備品(手袋、防寒具・衣類など) 1人分 4人分 6人分
8. 車脱出ハンマー
(車に積んでおく)
前の座席と後ろの座席に1つずつ置いておくのが望ましい
9. 携帯トイレ 15回分 60回分 90回分
10. マスク 6枚 24枚 36枚

 

大雨災害で必要になる防災グッズ

  • 土のう、水のう
  • レインコート

大雨災害でさらに必要になる防災グッズとして、「土のう・水のう」があります。大雨による浸水や洪水が発生した際に床上が浸水すると後片付けが大変になります。避難するにしても、「土のう・水のう」を準備して住居への浸水を防ぐ対策をしておきましょう。

また、大雨災害の発生時は雨が降っている場合も多いです。雨に濡れると体力が奪われる他、避難後に体が冷えて体調不良につながります。避難所に向かう際には雨具があると便利です。手が塞がってしまう傘よりも両手が使えるレインコートの着用をおすすめします。

地震災害で必要になる防災グッズ

  • ヘルメット

地震災害で必要になる防災グッズはヘルメットです。地震によっては避難所に辿り着くまでの建物が損壊している可能性があります。危険物から頭を保護するためにも地震災害ではヘルメットの重要性がより高くなります。ヘルメットの置き場がないという場合は、折り畳み式のヘルメットが便利です。

大雨 ・地震災害で実はいらない物4選

大雨・地震災害で共通していらない物4選を以下の表にまとめています。いらない理由と合わせて参考にしてください。

いらないもの いらない理由
1.テント
  • 避難所にテントを持っていくのは大変
  • ひとけの少ない屋外にテントを張ると犯罪に巻き込まれる可能性がある
2.ロープ
  • ロープを避難所で使うことは基本的にない
3.ティッシュペーパー
  •  ティッシュペーパーではなく水に溶けやすいトイレットペーパーがおすすめ
4.毛布
  •  避難所に毛布を持っていくのは荷物になるため、軽量のアルミシートやコンパクトな寝袋などがおすすめ

上記のように災害時に必要性の低い物は無理して避難所に持っていかず、水や食料のように命に直結する防災グッズを用意しておくことが大切です。災害の状況が分かって安全性が確保できる状態になったら家に必要な物を取りに帰りましょう。

あると便利な防災グッズ(番外編)

あると便利な防災グッズを紹介します。避難に余裕がある場合には、以下の防災グッズを避難所に持っていきましょう。

  • マルチツール
    避難所で細かな作業が必要になったときに便利
  • 水タンク
    給水車が来たときに水をストックするのに便利
  • パーテーション
    避難所で過ごすときに目隠しになる
  • アイマスク・耳栓
    避難所生活がはじまるとちょっとした物音や視線が気になるので就寝時に着用するだけでストレスが軽減される
  • ラップ
    食器のカバー、スポンジの代用、紐、ケガの応急処置、体に巻いて保温などに使えて便利

これらは命に関わるような防災グッズではありませんが、避難所生活が長くなった際にあると助かるものです。マルチツールやアイマスク・耳栓などの小物は荷物にならないので、防災リュックに入れておくのもよいでしょう。

大雨 ・地震災害から身を守るために日ごろから備えよう

大雨・地震災害は今後も必ず起こる災害です。災害はいつどこで起こるか分からず、明日自分が被災してしまう可能性もあります。被災して命が助かっても、すぐにライフラインが復旧するとは限りません。食料や水などが尽きて命を落とす可能性もあります。

そうならないためにも防災グッズを用意して日ごろから備えておく必要があります。今回紹介した必要な防災グッズとそうでない物を参考に、今一度防災グッズの確認をしてください。

執筆者プロフィール

田頭 孝志(防災アドバイザー)

愛媛の気象予報士・防災士。情報メディアや子どもを持つ保護者向けの防災記事、コラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに気象・防災関連の講演を多数、教育機関の防災マニュアルの作成に参画。

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