ぬか漬けは栄養豊富で、健康な体づくりに欠かせない発酵食品として古くから親しまれてきました。
しかし、「ぬか床をつくるのが難しそう」、「毎日の手入れが面倒そう」といったイメージから自宅でぬか漬けを作るのを敬遠している人も少なくないです。
そこで当記事では、初心者でも取り掛かりやすい作り方のコツや、ぬか漬け作りに必要な道具・材料などをご紹介します。
ぬか漬けは栄養たっぷり!
ぬか漬けは日本古来の発酵食品ですが、同じ発酵食品である納豆やパンなどと比べ、普段の食卓に並べられる機会は近年減ってきているとされています。
しかし、ぬか漬けは非常に栄養豊富で健康な体づくりのサポートとして一役買ってくれるので、ぜひ食事に副菜として取り入れたいものです。
そもそも「ぬか」が何か知っていますか?
ぬかとは、玄米を精米する際に削り出された米の外皮や、胚芽の粉末のことをいいます。
「米ぬか」ともいい、ビタミンB1をはじめとするさまざまな栄養素が含まれています。
このぬかに食材を漬け込むことで、ぬかの栄養をたっぷりと吸収した美味しいぬか漬けへと変身します。
生野菜と比べると、ぬか漬けにした野菜はビタミンB群、特にビタミンB1の数値が大きく増加します。
ぬか漬けにしたキュウリは生のキュウリと比べて、ビタミンB1は約8倍、ビタミンB6は約4倍にも増加すると言われています。
ぬか漬けに含まれる主な栄養素
ぬか漬けには主に、ビタミンB・C・E・Kやタンパク質、ナイアシン、マグネシウムやカルシウムといった栄養素が含まれています。
中でもビタミンCは、水溶性かつ「加熱すると壊れる」性質を持つため、積極的に摂取しようと思ってもなかなか摂りづらいものです。
ぬか漬けであれば、ぬかに含まれるビタミンCが水に溶けて食材に浸透し、加熱もしないので効率的に摂取できます。
生野菜と比べてかさが減るため、たくさん食べられるのもポイントです。
上記のほかにも、乳酸菌や食物繊維など美容効果が期待できる成分も多く含まれているため、女性にもおすすめの食品といえます。
ぬか漬けを食べて、目指せ健康生活!
ぬか漬けは非常に多くの栄養素を含んでいるため、食べることでさまざまなメリットが得られます。
たとえば、キュウリの例でご紹介したビタミンB1は、疲労回復や自律神経の調整に役立ちます。
残業続きで疲れた体を癒したいときなどに口にすると効果的でしょう。
また、ぬか漬けは発酵食品ゆえ、植物性乳酸菌も豊富に含みます。
乳酸菌には整腸作用があるため、便秘解消や食欲の増進といった効果が期待できます。
ほかにもビタミンA・Cやタンパク質を多く含むことから、肌質の改善が見込めます。
このようにぬか漬けは、健康な体づくりにおけるさまざまな役割を一手に担ってくれるのです。
ただし食べ過ぎには注意!塩分量に気をつけよう
とはいえ、ぬか漬けはあくまでお漬物の一種であるため、食べすぎると塩分過多となってしまい、かえって健康を害する恐れがあります。
厚生労働省の調べによると、日本人の1日における食塩摂取量の目安は成人男性で7.5g、成人女性で6.5g未満となっています。
私たちは普段の食事の中で、ぬか漬け以外のものからも塩分を摂取しています。
いかにメリットが多いとはいえ、ぬか漬けの食べ過ぎで健康を害しては元も子もありません。
あらゆる食べ物にいえることですが、適量をバランスよく食べることが肝心です。
ぬか漬けの作り方&作るときのポイント
続いては、ぬか漬けを作る基本的な手順についてご紹介します。
漬ける時期や時間、保存方法などのポイントも併せて解説します。
ぬか漬けの作り方
ぬか漬けを作るにあたって、まずは「ぬか床」を作る必要があります。
ぬか床とは、米ぬかを主とする漬物床のことをいいます。
精米直後のぬかには、まだぬか漬けを作れるほどの微生物が存在していません。
このぬかを微生物が増殖できる環境に整え、野菜に付着している乳酸菌や酵母菌、酪酸菌などを導くのが第一のステップです。
そのあと、ぬか床を熟成させるために「本漬け」を繰り返すのが、第二のステップです。
漬ける野菜の種類や手入れの頻度などで、ぬか床の発酵具合が変わるため、ご家庭によってさまざまな風味のぬか漬けができていきます。
それぞれの工程について詳しく見ていきましょう。
必要な道具&材料を準備する
ぬか漬けを作る際には、下記のものが必要となります。
- 容器
- ぬか
- 塩
- 水
- 唐辛子
- 昆布
- 漬ける野菜
ぬかはスーパーや精米店で、ネット通販で手軽に買うことができます。
野菜は捨て漬け用のものも用意する必要があるため、メインで漬ける野菜とは別に、ニンジンの皮やキャベツの芯など、いわゆる「くず野菜」をとっておくとよいでしょう。
特に葉物は乳酸菌が多く、大根の葉などを用意しておくと、より栄養価の高いぬか漬けになります。
ぬか床を作る
ぬか床を作るには多少時間がかかりますが、手順そのものは至ってシンプルです。
下記の手順にならって挑戦してみてください。
○手順
- 容器にぬかと水、塩を入れます。
- 少しずつ水分を足しながら、味噌くらいの固さになるまでよくかき混ぜます。
- うまみを与えるための昆布と、殺菌作用のある唐辛子を投入します。
- 平らになるよう均し、捨て漬けを行います。
- 数日おきに野菜を替えつつ、捨て漬けを数回繰り返すとぬか床の完成です。
ちなみに捨て漬けは、ぬかの中に菌を入れ、発酵に必要な栄養分と水分を加えるために行います。
捨て漬けした野菜も食べられないことはありませんが、塩味が強いうえにぬか臭く、あまりおすすめできません。
ゆえに先述の通り、くず野菜の使用が推奨されています。
本漬けをする
捨て漬けを繰り返し、7日~10日ほどで「本漬け」ができるぬか床となります。
本漬けの際は、野菜の水気をしっかりと切ってから漬け込みましょう。
水分が多いと、ぬか床が傷む原因になってしまいます。
また、野菜を塩もみしてから漬け込むこともポイントです。
野菜の水分を抜きつつ、表面に細かな傷をつけることで、芯までよく味の染み込んだおいしいぬか漬けに仕上がります。
本漬けしてから半日~1日ほど待てば、ひとまずは完成です。
とはいえ、この時点ではまだ新床のため菌が不安定な状態です。
毎日お手入れを行い食材を漬け込むことで、ぬか床の菌叢が馴染んで安定し、ぬか漬けのうまみも増していきます。
焦らず気長にお手入れしていきましょう。
毎日のお手入れは忘れずに
せっかくできたぬか床も、数日放置しておくと菌のバランスが崩れてしまい、カビが生えたり異臭を放ったりするようになります。
結果、ぬか漬けの味にも影響を及ぼしてしまうため、お手入れは欠かさず行いましょう。
毎日数分でよいので、ぬか床に手を入れてかき混ぜてください。
ぬか床の底を掘り返し、上の部分と下の部分が均等に混ざり合うようにするのがポイントです。
これは、酸素を好む酵母菌は上へ、酸素を嫌う乳酸菌は下へ移動しようとする習性を持つため、両者のバランスを均一に保つことを目的としています。
その後、押しつけるように空気を抜きながら、ぬか床の表面を平らに均しましょう。
どうしても毎日かき混ぜることが難しい場合は、冷蔵庫でぬか床を保存するのもおすすめです。
食材の漬かり時間は少し長くなるものの、発酵のスピードが落ちてお手入れする間隔を引き延ばすことが可能になります。
週に一度ほど取り出して常温に戻すと、乳酸菌が増殖しやすくなるので、美味しさを保つことができます。
漬けた野菜を取り出すには
漬けた野菜を取り出す際は、表面のぬかをぬか床に戻したのち、残ったぬかを水で洗い流します。
「ぬかを水で洗い流すと栄養分も流れてしまうのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、栄養分はしっかり野菜に移っているため問題ありません。
もっとも、ぬか自体食べられないものではありませんので、軽く流す程度で十分です。
なお、ナスなどの野菜を漬けた場合、ぬか床の水分を吸っていることがあります。
この水分まで一緒に戻してしまうと、ぬか床が傷む原因になるため、野菜の水気を絞らないように注意しましょう。
ぬか漬けを作るときのポイント
初めてぬか漬けに挑戦される方は、「どのくらいの時間漬けたらよいのか」「ぬか床の保存方法はどうするのか」など疑問を抱かれるかもしれません。
ここからは、ぬか漬けをおいしく作るためのポイントをいくつかご紹介します。
漬ける時間
野菜の種類によって漬ける時間は異なります。
たとえばキュウリの場合、常温で大体1日が目安となります。
冷蔵庫では発酵スピードが弱まるため、数日漬けておいても大丈夫です。
また、漬けるものの固さや大きさによっても時間は変わってきます。
柔らかくて味のつきやすいナスは半日ほど、固めのニンジンは2日ほど漬けるのがおすすめです。
もしも長く漬けすぎて、塩味の効きすぎる味に仕上がった場合は、水にさらして塩抜きをすれば問題なく食べられます。
ぬか床を作る時期
ぬか漬け自体は1年を通していつでも作れるものですが、一からぬか床を作る際は、春や初秋など温暖な時期がおすすめです。
ぬか床は本来、捨て漬けや本漬けを繰り返し行い、発酵しながら菌のバランスを安定させていくものですが、初期のぬか床はこの発酵がとにかく活発ゆえ、常温が最も適しています。
逆に気温の低い時期や、冷蔵庫に入れるなどしてぬか床の温度を下げてしまうと、発酵が思うように進まず、本漬けができるまでに時間がかかってしまいます。
発酵スピードを考えると、気温が25℃前後となる時期が最適でしょう。
この頃のぬか床は盛んに発酵を繰り返します。
保存方法
ぬか床は、基本的には常温で保存します。
安定しているぬか床は、乳酸菌の働きのおかげで雑菌が繁殖せず、カビが生じることはありません。
しかし、夏場など気温が高くなるとぬか床が発酵しすぎてしまい、ぬか漬けが酸っぱく仕上がってしまうこともあります。
その際は、ぬか床を冷蔵庫に入れて発酵ペースを遅らせるとよいでしょう。
ぬか漬け作りの落とし穴
初めてのぬか漬け作りは、順調にいくことばかりではありません。
ときには予期せぬトラブルや、自分好みの味に仕上がらないといった事態も起こり得ます。
ここからは、初心者の方が陥りがちなケースとその対処法をご紹介します。
ぬか漬け作りでは試行錯誤することも楽しみの一つなので、ぜひ参考にしてください。
ぬか床が水っぽい
野菜を繰り返し漬けていると、浸透圧の関係で水分が少しずつ出てきます。
表面にタオルやキッチンペーパーを当てる、水取器を使うといった方法があります。
ただ、この水分はうまみ成分でもあるため、ぬかを足すのも一つの手です。
水っぽいままにしておくと、ぬか床が傷んでしまう原因になりますので、ぬか床はお味噌と同じくらいの固さを保つようにしましょう。
ぬか床から嫌なにおいがする
本来のぬか床は、ほっこりと温かくていい匂いがします。
しかし菌のバランスが崩れていると、ぬか床からさまざまな異臭が漂ってきます。
腐敗臭やセメダイン臭、シンナー臭などさまざまなケースが挙げられますが、大抵の場合は産膜酵母や酪酸金の過剰発酵や、雑菌の繁殖が原因と考えられます。
対処するには、ぬか床の底や四隅までしっかりかき混ぜてください。
よくならない場合は、塩を足して殺菌しましょう。
ぬか床の表面が白くなってきた
これは「産膜酵母」という酵母菌の一種です。
酸素を好むため、ぬか床の表面で発酵します。
決して悪いものではなく、むしろぬか漬けの香りをよくしてくれるので、しっかりかき混ぜてください。
産膜酵母が出ているのは乳酸菌が発酵して、雑菌の繁殖を抑えてくれている証拠ともいえます。
ぬか床にカビが生えてしまった
カビの生えてしまった部分を大きく切り取り廃棄すれば、それまでと同じように使用できます。
気温が高いようであれば冷蔵庫に入れたり、しっかりかき混ぜたりすることで予防可能です。
その際、残っているぬかをいったん取り出し、容器をきれいに洗ってよく乾かすようにしましょう。
ぬか漬けが酸っぱすぎる
ぬか床に乳酸菌が増えすぎていることが考えられます。
発酵するスピードを落とすために冷蔵庫に入れたり、少し塩を入れたりして乳酸菌の数を減らすことが有効です。
乳酸菌は酸素をあまり好まないため、念入りにかき混ぜて空気を送り込むことでも発酵スピードを遅らせることができます。
ぬか漬けが酸っぱくない
ぬか漬けが酸っぱくない場合は、乳酸菌が減っていることが原因と考えられます。
冷蔵庫に入れている場合は常温に戻し、発酵を促してあげてください。
また、かき混ぜすぎていることも原因かもしれません。
手を出したい衝動をぐっとこらえて、しばらくかき混ぜずにいると、ぬか床の底で乳酸菌が増殖してくれるはずです。
ぬか漬けが塩辛い
塩分量が多いことが考えられます。
塩分は菌のバランスを保つためには大切ですが、多すぎると乳酸菌や酵母菌などを殺菌する原因になります。
ぬかを足して、塩分濃度を調整しましょう。
この場合、一時的にぬか床内の菌が減少しているはずなので、捨て漬けをしてみるのもおすすめです。
ぬか漬けのうまみが足りない
食べられなくはないものの、なんだかぼんやりした味になっている場合は、うまみ成分が足りていないのかもしれません。
昆布や干しシイタケなどのうまみ成分を含む食材足して様子を見てください。
特に昆布がおすすめです。
小さく割ってぬかに混ぜ込むと、菌の働きで少しずつ溶けて消えてくれます。
ぬか漬けに必要な道具&材料をリストアップ!
ぬか漬けを作るには、特別な道具は必要ありません。
思い立ったらすぐ始められるのがぬか漬けのよいところです。
ここからは、ぬか漬け作りに必要な道具や、ぬか床の材料について解説します。
おすすめ商品も併せてご紹介しますので、気になるものがあればぜひチェックしてみてください。
ぬか漬け用の道具
ぬか漬けに使う道具は、鍋とぬか漬け用の容器があれば十分です。
ただし、ぬか漬け用以外の容器を使う場合は、材質に注意しましょう。
ぬか床は酸性のため、金属製の容器はNGです。
また、プラスチック製のものは細かい傷がつきやすく、気をつけて取り扱わないと不衛生になりがちです。
初心者の方は、素直にぬか漬け用のものを選んだほうが無難でしょう。
大きめの鍋
ぬか床を作る下準備としてぬかを炒るために使う鍋は、大きめのものを用意することをおすすめします。
作る量にもよりますが、大きいサイズのものであれば手間がかかりません。
深型で使いやすい!和平フレイズ おおらか鍋IH対応深型両手鍋 28cm
底が深くて使いやすいアルミ製両手鍋です。
軽量で両手ハンドルもついているため持ち運びの負担が少ないので、重たいぬかを入れても使いやすいです。
フッ素加工によりこびりつきにくく、炒りぬかを作る際にも重宝します。
そのままぬか漬け容器として使うこともでき、お値段もリーズナブルなので、初めてぬか漬け作りに挑戦する方には大変おすすめの商品です。
ぬか漬け用の容器
上記のように、鍋を利用する方法もありますが、鍋にはほかにもさまざまな使い道があるため、やはり別途で容器を用意したほうが無難といえます。
ぬか漬け用の容器には多くの種類があり、材質やサイズなどが異なるため、自分の目的に合ったものを選びましょう。
野田琺瑯 ホーローぬか漬け美人
本腰を入れてぬか漬けを作りたいなら、ぬか漬け用の容器を使うのがおすすめ。
「野田琺瑯」は、普遍的で美しいデザインに定評がある、その道80年の老舗ホーローメーカーです。
ホーローはにおい漏れしにくく、ぬか漬けで気になるにおいをシャットアウトしてくれるのが特徴です。
さらにこちらの商品は、冷蔵庫で保存することを想定して作られているため、高さが12cmと低めでスペースを圧迫しにくい点も嬉しいポイント。
冷蔵庫でぬか漬けを作ると発酵ペースが遅くなり、1日や2日程度なら手入れをしなくても問題ないので、忙しい方におすすめです。
ぬかに埋め込むタイプの水取器も付属されており、初心者にありがちな「水分過多によるぬか床の傷み」も防止できます。
ぬか床の材料
ぬか床の材料は、基本的に手に入りやすいものばかりです。
米ぬかは精米店でも手に入りますが、手軽に始められるという点ではネット通販での購入もおすすめです。
米ぬか
米ぬかには、精米時にできる「生ぬか」と、生ぬかを炒って水分を飛ばした「炒りぬか」の2種類があります。
生ぬかは風味が豊かで栄養も豊富ですが、傷みやすいためスーパーなどで見かけることは少なく、もっぱら精米店で取り扱われています。
対して炒りぬかは、酸味が少なく香ばしいという特徴があります。
火を通しているため傷みにくく、スーパーでの入手も可能です。
どちらを使っても問題なくぬか漬けが作れますので、味の好みで選ぶとよいでしょう。
伊勢惣 いりぬか
生ぬかにはない、炒りぬかならではの香ばしさがぬか漬けに加わります。
こちらの商品1袋(500g)に対し、水500cc・塩110gが目安量です。
こののち捨て漬けを行えば、おいしいぬか床ができあがります。
生ぬかと比べて日持ちするため、ぬか床が少なくなったときや、ぬか床が水分を持ったときに足せるよう予備を用意しておくとよいでしょう。
粗塩
ぬか漬けを作る際、さまざまなシーンで塩の存在が重要となります。
自然塩のほうが風味豊かな仕上がりになるので、事前に用意しておきましょう。
伯方の塩 粗塩
ぬか床の塩味を調整するほか、野菜の表面を傷つけて味が染み込みやすくするためにも使用しますので、なるべく大粒の粗塩を選ぶのがおすすめです。
こちらの商品はにがりが残っているため、食材本来の味を引き立てつつ、すっきりとした味わいに仕上がります。
ぬか床の殺菌にも役立つので、今ご家庭にある塩とは別に用意しておくのもよいかもしれません。
水
ぬか床を作るためには当然、水が必要となります。
しかし水道水ではカルキが多分に含まれるため、菌の繁殖を阻害する恐れがあります。
水道水を用いる場合は、煮沸後しっかりと冷ましてから使用するか、浄水器を通すとよいでしょう。
もしくはミネラルウォーターの使用もおすすめです。
クリスタルガイザー
おいしいぬか漬けを作るためには、水にもこだわりたいところです。
水中に溶けているマグネシウムとカルシウムの量を数値化したものを「硬水度」といい、基準値よりも数値が高ければ硬水、低ければ軟水と表します。
日本の水は大半が軟水ですので、ぬか漬けにも軟水が向いています。
「クリスタルガイザー」は、アメリカのカリフォルニア州にある山々を水源とする、日本人の口に合う軟水の天然水です。
クセがなく、ぬかの風味や野菜の味をしっかりと引き立ててくれます。
500ml×48本と大容量ながらリーズナブルで、災害の多い日本では備蓄用の水としても好まれています。
赤唐辛子
唐辛子は主に防腐剤として使用するほか、ぬか漬けの味を引き締めるうえでも重要となります。
虫除け効果もありますので、忘れずに用意しておきましょう。
赤 生唐辛子
唐辛子は月に一度くらいの頻度で入れ替えると、ぬか床が痛むのを予防することができます。
入れすぎると発酵が進まなくなるため、ぬかの量に応じて調整しましょう。
ガーゼに包むなどして取り出しやすくしておくと、スムーズな取り換えが可能です。
こちらの商品は生唐辛子ですので、辛いのがお好きな方はそのままぬか漬けとして食べるのもありです。
ぬか床に投入する際は、種ごと刻んでぬかに混ぜ込むと、食材にほどよい辛味が加わります。
昆布
ぬか床にうまみを加えるために必要となります。
かつお節や干しシイタケなどでも代用可能ですが、前者の場合は一度入れると取り出せず、後者の場合は素材の香りが非常に強いため、どちらも量を誤るとリカバリーが大変です。
慣れないうちは昆布を使用するのが得策でしょう。
北海道 南かやべ産 お徳用 真昆布 切落とし
南茅部の昆布は高品質で身が厚く、代々朝廷や将軍家に納められていたことから「献上昆布」とも呼ばれています。
うまみが強く、ぬか漬け作りに最適です。
小さく割ってぬか床に混ぜ込むと、風味豊かなぬか漬けに仕上がります。
時間が経つとともに菌の働きによって溶けていきますが、その前に引き上げてもぬか漬けとしておいしくいただけます。
捨て漬け用の野菜
ぬか床を発酵させるためには、捨て漬け用の野菜がカギを握ります。
捨て漬けという名前の通り、あまりおいしく漬かるものではないため、くず野菜で問題ありません。
ニンジンのヘタや大根の葉など、料理の際に生じるくず野菜を捨てずにとっておきましょう。
本漬け用の食材
ぬか漬けといえば、一般的にはキュウリやカブ、大根などの野菜を漬けるのが主流ですが、近年ではアボカドやカボチャといった漬け物に馴染みの薄い食材も注目を集めています。
ほかにもセロリやアスパラガス、パプリカなどもピクルス感覚で漬けられておいしく仕上がるでしょう。
また、変わったところでは野菜以外の食材もぬか漬けに使用できます。
インターネットで検索すると、豆腐やチーズ、ゆで卵、果物といった一見ぬか漬けに向かないような食材を使用したレシピを閲覧できます。
たとえば豆腐であれば、しっかり水を切ってぬか漬けにすると、燻製に近い風味が出ると評判です。
果物であれば、りんごなどをぬか漬けにするのもよいでしょう。
りんご本来の酸味とぬかのうまみが合わさり、まるでおかずのような感覚で食べられます。
これらは冷蔵庫に余りがちで、意識して使っていかなければ傷んだり、悪くなる前に慌てて食べたりすることが多い食材です。
賞味期限の直前になってバタバタするくらいなら、いっそのことぬか漬けにしてみるのも面白いかもしれません。
ぬか漬け作りは非常に自由度が高く、試行錯誤することも楽しみの一つです。
定番の食材を選ぶのもよし、一風変わった食材に挑戦するのもよし、まさに作る人の個性が如実に表れる料理といえます。
初心者の方にはスタンダードな食材を推奨しますが、慣れてきたら色々な食材に注目し、オリジナリティのあるぬか漬けを作ってみるのも一興でしょう。
まとめ
ぬか漬けは手軽に手間なく始められるうえ、やろうと思えばどこまでもこだわることができるため、料理初心者の方や料理が苦手な方でも
問題なく楽しめます。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ自分だけのぬか漬け作りに挑戦してみてください。
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