疲れて家に帰ってきたとき、ふと見回すと殺風景な室内。おしゃれで癒されるグリーンをもっと取り入れたいけど、植物のお世話をするのは得意じゃない……
そんな方におすすめなのが多肉植物です。乾燥地帯を生き抜くこの植物は、水分を葉や茎に貯めこむ習性があるので、何度も水やりをする必要はありません。寒さにも強いので育てやすいですし、なにより見た目がポップでかわいいので、部屋に置くとおしゃれな雰囲気になります。
今回は多肉植物初心者に向けて、多肉植物の種類や魅力、育て方の基本ルール、そしておすすめのアイテムをご紹介します♪
見た目がかわいい!初心者にもおすすめの多肉植物とは?
ぷっくりとした肉厚さが特徴のものや、トゲトゲした葉のもの、石みたいな形のものなど、さまざまな品種がある多肉植物。その数は原種だけでも1万以上あるといわれています。
そんな多肉植物は、成長する期間によって「春秋型」「夏型」「冬型」の3タイプに分けられます。とくに春や秋に成長して冬に休眠する春秋型の多肉植物は、育てやすく、初心者向け。
たとえば、寒くなると赤く色づく「虹の玉」や「乙女心」などのセダム属、葉っぱが赤くなる「錦晃星」や「花うらら」などのエケベリア属などは、これから多肉植物を育ててみたい方にぴったりです!
多肉植物の水やり
「多肉植物の水やりは少なくてもいいので簡単」とはいっても、具体的にどのくらいの量と頻度で行えばいいのでしょうか。ここではわかりやすいように、下の3つの項目に分けて説明していきます。
- 育てたい多肉植物の品種がどの生育タイプかを知ろう!
- 生育タイプに合わせた水の与え方をしよう!
- 水の量やタイミングなど、水やりのコツを知っておこう!
それではさっそく見ていきましょう。
育てたい多肉植物の品種がどの生育タイプかを知ろう!
多肉植物は季節ごとに生育期と休眠期に切り替わります。この2つのサイクルは多肉植物の種類によって違い、上記でも説明したように「春秋型」「夏型」「冬型」の3つのタイプに分かれているのです。
そこで、生育タイプの特徴とそこに当てはまる種類を紹介していきましょう。育てたい多肉植物がどれなのかを確認してみてくださいね。
「春秋型」の多肉植物の特徴
春と秋に生育期を迎え、育ちやすくなります。夏の暑い日は成長が緩やかになり、冬は休眠期となるタイプです。
10~25℃の過ごしやすい気温でよく育つので、この時期に種まきや植え替えをしましょう。生育期以外で触ってしまうと弱ってしまう可能性が高いので、暑い時期や寒い時期はそっとしておいてください。
生育期が長いので育てやすく、初心者にもおすすめのタイプです。
▼春秋型
- セダム
- エケベリア
- ハオルチア
- クラッスラ(春秋型)
- エケベリア
- センペルビウム(センペルビブム)
- パキフィツム
- ペペロミア
- モニラニア
- アナカンプセロス
- グラプトペタルム
- グリーンネックレス
- ガステリア
「夏型」の多肉植物の特徴
夏に生育期を迎え、高温と乾燥に強いのが特徴です。20~30℃の環境でよく育ち、春と秋は成長が緩やかになり、冬は休眠期に入ります。
寒さに加え、高い湿度や直射日光にも弱いので、夏でも状況に合わせて置き場所や水やりの管理をしないと枯れる原因となってしまいます。また、35℃以上の猛暑時にも弱ってしまうので、置き場所に気をつけてください。
ちなみにサボテンは特殊で、3つの生育タイプのどれにも当てはまらないのですが、育て方は「夏型」と同じで大丈夫です。
▼夏型
- サンセベリア
- アロエ
- カランコエ
- クラッスラ(夏型)
- アガベ
- ユーフォルビア
- チランジア
- アデニウム
- パキポディウム
- アボニア
「冬型」の多肉植物の特徴
冬に生育期を迎える多肉植物です。夏と秋は育ちが緩やかになり、夏は休眠期に入ります。5~20℃でよく育ちますが、寒さに強いというわけではありません。冬の寒い日は5℃未満にならないようビニールなどで保温します。
冬はよく日に当てて、夏は風通しがよく日陰になる場所に置いておくと元気に育ってくれます。
▼冬型
- リトープス
- アルギロデルマ
- アエオニウム
- オトンナ
- プレイオスピロス
- コノフィツム
- フォーカリア
- セネシオ
- アルブカ
生育タイプに合わせた水の与え方をしよう!
育てたい多肉植物の生育タイプがわかったら、つぎはその特徴に合わせた水やりの方法を学びましょう。
多肉植物は成長するときに多くの水が必要になり、休眠期にはほとんど水がいらなくなります。この「生育期と休眠期で水やりのタイミングが大きく変わる」というのが、多肉植物を育てるときに気をつけたいポイントです。
ここでは生育タイプ別に水やりの解説をしているので、参考にしてみてください。
「春秋型」の水やり
成長が進む春と秋にはたっぷりと水をあげます。寒い地域でなければ、冬が終わる3月と夏の暑さが落ち着く9月ごろから水を増やしはじめましょう。水やりの頻度は3日~1週間に1回、土が乾いたらあげてください。
夏の水やりは月に数回程度、涼しくなる夕方にあげます。水の量も土を湿らせるくらいにまで減らしましょう。また高温多湿の日がつづく場合は、思い切って断水してみてください。休眠状態に入り、根腐れしにくくなります。
冬は凍るのを防ぐために断水します。水はほとんど与えず、月に2~3回程度霧吹きで葉水をしておくといいでしょう。
「夏型」の水やり
春から秋までは土が乾いたときにたっぷりと水やりします。夏は暑すぎると成長が遅くなるうえ、土に溜まった水の温度が上がって根が傷んでしまうことも。40℃近くまで気温が上がる日がつづくのであれば、水やりをひかえて様子を見てください。
10月前後から、徐々に水を減らしていきます。冬は休眠期に入るので、凍るのを防ぐために断水してください。乾燥がひどい場合でも、土を軽く湿らせる程度にとどめておきましょう。
「冬型」の水やり
秋から春までの生育期には、土が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをします。冬は水温が下がりすぎないように、晴れた日の午前中に水をあげましょう。水の量もすこし減らしてください。
夏は休眠期に入るので水を与えないようにし、与えるとしても月に1回、土を湿らせる程度にとどめます。ただし、この時期にも水やりが必要な品種も存在するため、冬型の多肉植物の場合は、育て方を個別に調べておくのがベターです。
水の量やタイミングなど、水やりのコツを知っておこう!
生育期の水やりは、底から水が染み出るくらいたっぷりと注いでください。葉にかけると水が溜まってしまいトラブルの元になるので、根元や土にかけるように注ぎましょう。
多肉植物が水を欲するタイミングは、
- 土が乾いたとき
- 葉にシワができているとき
- 葉の色が悪くなってきたとき
の3パターンです。こまめにあげると水分貯蓄のキャパオーバーで根腐れするので、日にちを空けて土がしっかりと乾いてから水を与えるとちょうどいいでしょう。シワや色がわかりにくいのであれば、元気な状態の写真を撮っておくと見比べられるのでおすすめです。
水やりの時間は、
- 春から秋 → 夕方や夜
- 冬 → 午前中
にあげると鉢内部の温度変化が抑えられます。夏場に水を与える場合は、鉢の底を水で20分ほど浸しておく「底面吸水」も、葉のトラブルを防げるのでおすすめです。
多肉植物の魅力とは?
見るものを魅了する多肉植物。ここでは多肉植物がもつたくさんの魅力についてご紹介します♪
見た目がかわいい!
何といってもずば抜けたかわいい見た目が、最大の魅力といっても過言ではありません。かわいい以外にも個性的な見た目のものも多く、インテリアアイテムとして雑貨店でも販売されており、多肉植物をインテリア雑貨として取り入れる方も多くいらっしゃいます。
癒やされる
植物には古くからリラックス効果があるといわれています。さらに立派に育てることで達成感が得られ、植物を愛でることで気持ちを安らかにしてくれる効果が期待できます。
育てやすい
乾燥に強い多肉植物は水やりの回数が少なく、育てやすいのも魅力です。丈夫な品種も多いため、「出張が多い」「植物を育てるとどうしても枯らしてしまう」「水やりがめんどくさい」なんて方にも管理しやすいです。
季節を感じられる
種類が豊富な多肉植物のなかには、花を咲かせるものや美しく紅葉するものも多く存在します。季節ごとに変化する多肉植物をインテリアにすれば、家のなかで四季を感じられるでしょう。
寄せ植えが楽しめる
小さくて生長がゆっくりな多肉植物は、寄せ植えに向いている植物です。いろんな形やカラーの品種を組み合わせれば、世界で一つだけの作品になりますよ♪
また、インテリアに合わせて寄せ植えの鉢をカラフルにしたり、テラリウムで寄せ植えしたりするのもいいでしょう。ただし、寄せ植えする際は管理しやすいように同じ生育型の多肉植物を組み合わせましょう。
水やり以外にも気になる、多肉植物の育て方の基本ルール
多肉植物は紹介したように比較的育てやすい植物です。ここでは多肉植物を育てるための基本的ルールをご紹介します。
置き場所
季節によって適度にポジションを変え、日当たりと風通しがよいベストな場所に置いてあげましょう。たとえば、夏型の多肉植物でも直射日光はNGです。夏場で日差しが強いのなら屋外の木陰や室内のカーテン越しの明るい日陰に置きましょう。
また、熱帯地域で生まれた多肉植物は寒さに弱いため、冬場は室内で管理し、夏とは反対に日の当たる場所に置いてあげるのが望ましいです。冬型と呼ばれる寒さに強い多肉植物でも、5~10℃を下回るようなら室内で育てましょう。
仕立て直し
茎や葉が伸びすぎて形が悪くなってしまったら、茎をカットして仕立て直しをしてみましょう。
形が崩れる原因は、日光の当たり具合が不十分、もしくは水やりのしすぎなどです。茎や葉が伸びすぎると見た目の悪さだけでなく、刺激に弱くなったり、病気にもかかりやすくなったりといったデメリットもあります。
仕立て直しをする場合、まずは株が元気な状態であることを確認してください。根や茎がしっかりしているのであれば大丈夫です。つぎに、清潔なはさみを用意し、ちょうどいい長さの位置で茎をカットします(葉が邪魔な場合は、周辺をもぎ取っておく)。葉はある程度残すようにしておきましょう。カット後は、切断面が乾燥するまで水やりはひかえておいてください。
おすすめの多肉植物
多肉植物の水やりや置き場所など、お世話の仕方がわかったところで、ここからはおすすめの多肉植物を紹介します。初心者でも育てやすい商品をピックアップしたので、お部屋に合いそうなお気に入りのものを探してみてください!
花が咲く多肉植物『桜花月(さくらかげつ)』
「桜花月」はベンケイソウの一種で春秋型の多肉植物です。多肉植物には珍しく、花が咲きやすい品種となっています。12月の終わりごろから花が咲き始める「桜花月」は、縁起のいい植物として人気です。花はだいたい2月まで見ることができます。
寒さに強く育てやすいので、初心者にもおすすめ。冬の間の水やりは月に1~2回程度にとどめておいてください。
恐竜の鉢がかわいい!『多肉植物 3個セット 鉢植え 恐竜』
かわいい恐竜型の鉢がついてくる多肉植物の3点セットです。鉢のデザインの組み合わせは自由に選ぶことができます。小さいので飾りやすく、性別や年齢を問わないデザインが特徴の商品です。
多肉植物は、季節に合った品種をお店側が決めてくれます。こちらから指定はできませんが、育て方のしおりがついてくるので、そちらを参考に育ててあげてください。
どの多肉植物を育てようか迷っている方や、子どものいる家庭にもおすすめです。
≪実際に購入した方からの口コミ≫
◆植物がほしくて探していたところ、恐竜の鉢に一目惚れして、自分用とプレゼント用に購入しました。 とても可愛くて気に入っています。
◆初めて買います。多肉植物大好きです。
モリモリの多肉植物が映える!『虹の玉 セダム』
多肉植物のなかでも人気の、ぷくぷくとしたかわいらしいセダム。「虹の玉」は寒くなると赤く紅葉するので、色の変化も楽しむことができます。生育タイプも「春秋型」で育てやすく、初心者にもおすすめです。
写真のようにポット部分が麻布で覆われているので、このまま飾ってもOK。麻布からひょこっと顔を出したセダムがかわいいですよね。素敵な鉢を見つけたら、そちらへ植え替えるのもおすすめです。
人気のある多肉植物といえばコレ!『ユリアナ エケベリア 7.5cmポット』
多肉植物といわれて思い浮かぶ形のひとつであるエケベリアの「ユリアナ(ジュリアナ)」。蓮の花のような形が美しく、人気のある品種です。
エケベリアはメキシコ原産なので乾燥や高温にある程度強く、「春秋型」タイプなので初心者にも育てやすいのが特徴。7~8月の暑い時期と11~1月の寒い時期には休眠期に入るので、水やりを減らすとうまく育つでしょう。
これぞ多肉植物!という代表的なものを飾ってみたい方におすすめです。
説明書つきでわかりやすい『子宝弁慶草(こだからべんけいそう)カランコエ 3.5号鉢 受け皿付き』
カランコエは、生育タイプが「夏型」のなかでも比較的丈夫で、育てやすい多肉植物です。寒いのが苦手なので、冬の間は室内の温度を下げ過ぎないようにしてください。
「子宝弁慶草」の名前のとおり、花言葉は「子孫繁栄」。葉の先に小さなつぼみのような子株をたくさんつけ、それが落ちることで繁殖していく様子が名前の由来になっています。
こちらの商品は鉢や受け皿がついてくるので、植え替えの手間がいりません。また、育て方の説明書もついてきます。多肉植物を初めて育てる初心者の方は、説明書を参考に育ててあげてください。
インテリアに最適!『柱サボテン 陶器鉢つき(マットホワイト、ブラック)』
おうちのインテリアとしてよく見られるサボテン。こちらも多肉植物の一種なんです!
今回紹介している「柱サボテン」は、シンプルだからどんな部屋でも相性がよく、そして手描きのようなフォルムがどことなくかわいい、そんなおしゃれな品種です。
育て方は生育タイプが「夏型」のものと一緒です。太陽が好きなので、夏以外の季節はできるだけ日光に当てるようにしてください。冬は室温が下がりすぎないように気をつけて、シワができてきたときだけ水やりをしましょう。
見た目はこんなにかわいいのに、風水では悪い気を遠ざけてくれるといわれているサボテン。ぜひ育ててみてくださいね。
おわりに
気軽に家で植物を育てたいと思うなら断然、育てやすく見た目がかわいい多肉植物がおすすめです!
水やりをしすぎると弱ってしまうことに気をつければ、丈夫なのですくすく育ってくれることでしょう。
きれいに紅葉する多肉植物もあるので、ぜひこの機会に多肉植物を育ててみてはいかがでしょうか。
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