ネットショッピングやスーパーで購入したうなぎのかば焼きが、「ゴムのようにかたい」「タレの味しかしない…」なんてことはありませんか。それはもしかしたら「温め方」に問題があるのかもしれません。実はちょっとした温め方のポイントをマスターすれば、お店のようなうなぎのかば焼きに仕上げることも夢ではありません!
そこで今回は、自宅で簡単にできる「うなぎを美味しく温める方法」を紹介します。
【調理器具別】うなぎの温め方
うなぎを美味しく温めるのに特別な調理器具は必要ありません。ここでは、どこのご家庭でも試せる4つの方法を紹介します。
なお、今回紹介する方法は主にパックで売られている冷蔵のうなぎについてです。冷凍の場合には解凍してから行ってください。
【うなぎの温め方その1】電子レンジを使う
電子レンジで温める際は、クッキングシートでうなぎを包んで「蒸し焼き」にしましょう。うなぎがふっくらやわらかく仕上がりますよ。
【温め方】
1.皮目を下にして、ひと回り程度大きくカットしたクッキングシートの中央にのせる。
2.うなぎの全体に酒大さじ1をまんべんなくかけ、クッキングシートの手前と奥の端を合わせて折り、両端をひねって閉じる。
3.耐熱皿に2をのせ、電子レンジ600Wで50秒加熱する。まだ冷たい場合には、様子を見ながら10秒ずつ加熱する。
4.器に3のうなぎを盛り、温めたタレをかける。
≪POINT≫
酒はうなぎの臭みを抑え、身をふっくらさせる効果があるため、全体にまんべんなくふりかけましょう。うなぎ1/2尾分の場合には、うなぎに酒大さじ1/2をふりかけ電子レンジ600Wで40秒加熱してください。電子レンジで加熱しすぎるとうなぎの水分が飛んでパサつきやすくなるため、加熱する際はこまめに状態をチェックしましょう。
※調理時間はあくまで目安です。お手持ちの電子レンジの性能によって加熱時間は異なります。
【うなぎの温め方その2】グリルやトースターを使う
うなぎをグリルまたはトースターを使って温めると香ばしく仕上がります。ただし、うなぎに付いているタレの量が多い場合は焦げやすくなるため、焼く前にうなぎを湯洗い(「温める際にタレを落とすことも大事」参照)をしてから温めましょう。
【温め方】
1.うなぎをグリルまたはトースターに入るように切る。
2.アルミホイルにサラダ油適量を薄く塗り、皮目を上にして1をのせる。
3.グリルまたはトースターに2を入れて温め、少し焦げ目が付いたらフライパン返しでうなぎをひっくり返す。
4.うなぎの表面がプツプツとしてきたら取り出す。
5.器に4を盛り、温めたタレをかける。
≪POINT≫
身崩れを防ぐために、うなぎはサラダ油を薄く塗ったアルミホイルにのせ、裏返す際はフライパン返しを使いましょう。
ふっくらとした関東風うなぎに仕上げたいなら「3」の後にアルミホイルごと取り出して、うなぎに水または酒小さじ1程度かけてアルミホイルでうなぎを包み、再びグリルまたはトースターに戻して温めます。
関西風の香ばしいうなぎに仕上げるなら「4」の後にタレ少量をうなぎにかけ、さらに温めると香ばしさがアップします。
【うなぎの温め方その3】フライパンを使う
フライパンを使った温め方法も、グリルやトースター同様に関東風・関西風どちらにも仕上げることができます。ただし、うなぎに付いているタレの量が多い場合は焦げやすくなるため、焼く前にうなぎを湯洗い(「温める際にタレを落とすことも大事」参照)して、アルミホイルにサラダ油を薄く塗ってフライパンに敷き、その上でうなぎを焼くとよいでしょう。
【関東風の温め方】
1.うなぎの皮目を下にしてフライパンにのせる。
2.うなぎの表面に水または酒を小さじ1程度をふりかけ、ふたをして弱火で4分程度焼く。
3.器に2を盛り、温めたタレをかける。
【関西風の温め方】
1.フライパンにサラダ油適量を入れて熱し、身を下にしてうなぎ1尾分をのせて弱火で焼く。
2.香ばしく焼けてきたらフライパン返しで裏返し、皮面を焼く。
3.器に2を盛り、温めたタレをかける。
≪POINT≫
うなぎがフライパンの直径よりも長い場合には、半分にカットしてください。うなぎを返す際は身が崩れないようにフライパン返しを使いましょう。
※調理時間はあくまで目安です。こまめにうなぎの状態をチェックして調節してください。
【うなぎの温め方その4】湯煎で温める
真空パックに入ったうなぎは、湯煎で温めるのがおすすめです。ここでは、常温・冷蔵タイプと冷凍タイプのうなぎの温め方について紹介します。ただし、パックによっては湯煎できないことがあるため、商品の注意事項を確認の上、湯煎してください。
【常温・冷蔵タイプ】
1.フライパンでお湯を沸かし、沸騰したらパックのうなぎを3~5分湯煎する。
2.器に1を盛り、温めたタレをかける。
【冷凍タイプ】
1.フライパンでお湯を沸かし、沸騰したらパックのうなぎを入れる。
2.お湯が再び沸騰したら3~4分(うなぎが大きい場合は5~6分)湯煎する。
3.器に2を盛り、温めたタレをかける。
≪POINT≫
うなぎはお湯が沸騰してから入れましょう。パックはグツグツと激しく温める必要はありません。小さな水泡が湧く程度で温めましょう。また、10分以上温めると身から脂が溶け出して、味が損なわれる可能性があります。温めすぎにはくれぐれも注意してください。取り出す際は身崩れを防ぐためにフライパン返しを使い、やけどに注意しながら取り出しましょう。
※調理時間はあくまでも目安です。
温める際にタレを落とすことも大事
商品によっては、うなぎの見栄えをよくするためにタレが多くかけられていることがあります。特にグリルやトースター、フライパンで温める際にはこのタレが焦げの原因になるため、うなぎに付いているタレが多い場合には、以下の方法で湯洗いしてから温め、最後に温めた添付のタレをかけましょう。
【うなぎのタレの取り方】湯洗い方法
1.うなぎのかば焼きをバットまたは耐熱皿に皮目を下にしてのせる。
2.熱湯をかけてタレを丁寧に落とす。
3.うなぎを引き上げ、キッチンペーパーで余分な水分を綺麗にふき取る。
万が一、添付のタレがない場合やタレが少ない場合には、以下のレシピでうなぎのタレを手作りしてみましょう。レシピを覚えておけば、焼き鳥や豚丼のタレとしても使えますよ。なお、お好みで各調味料の分量は変えてOK。
【うなぎのタレのレシピ】2人前
≪材料≫
- しょうゆ…大さじ2
- みりん…大さじ2
- 砂糖…大さじ2
- 酒…小さじ2
≪作り方≫
小鍋に材料を入れてよく混ぜ、軽く煮詰まるまで弱火で加熱する。
関東風うなぎ・関西風うなぎの違いは?
紹介してきたように、うなぎのかば焼きには「関東風」と「関西風」があります。その境界線は静岡県の浜松あたりといわれており、浜松では関東風・関西風のお店が混在しています。関東風・関西風の主な違いは以下の通りです。
【関東風と関西風の違い】
関東風:背開き、蒸してから焼く→ふっくらやわらかな食感が特徴
関西風:腹開き、蒸さずに焼く→パリッと香ばしい食感と風味が特徴
おわりに
自宅で簡単にできる、うなぎのかば焼きの温め方について紹介しました。紹介したように、うなぎは温め方次第で食感や風味が変わります。
ぜひ、ネットショッピングやスーパーでうなぎを購入した際には、自分の好みに合った温め方を試してみてはいかがでしょうか。