歯の健康を保つうえで、歯磨き粉は欠かせない存在です。
とはいえ、ひと言で歯磨き粉と言っても、効果は千差万別。
どの歯磨き粉がベストなのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は歯磨き粉の種類や効果について徹底紹介していきます。
みなさんに合った歯磨き粉探しの一助になれば幸いです。
歯磨き粉を使った時のメリットと注意点
歯磨き粉には数多くのメリットがあります。
一方で、使い方によってはデメリットが生じることもあります。
以下のことを頭に入れておけば、歯磨き粉選びの際に役立つはずです。
歯磨き粉のメリット
歯磨き粉の大きなメリットといえば、殺菌力のあるフッ素の効果で虫歯が予防できること。
また、研磨剤によって着色を防ぐ効果もあります。
他にも口臭や歯周病の予防など、歯磨き粉にはさまざまな効果が。
特定の効果を重視した歯磨き粉が多いので、のちほどおすすめの歯磨き粉とともに詳しい効果を解説していきます。
歯磨き粉の注意点
歯磨き粉の過度な効果がデメリットになることをご存じでしょうか?
たとえば研磨剤の量が多すぎると歯の表面を傷つける原因になります。
さらに、泡立ちがいいと歯をしっかり磨けていると勘違いしてしまうこともあるでしょう。
これは発泡剤の多さが原因で、磨き残しにつながりますから注意が必要です。
歯磨き粉の主な成分
歯磨き粉の主な成分には、フッ素、研磨剤、発泡剤の3つがあります。
フッ素はたいていの歯磨き粉に含まれている、最も重要な成分です。
研磨剤と発泡剤については多すぎると歯にあまりよくない面もありますので、歯磨き粉を選ぶ時にはそれぞれの量をチェックしましょう。
虫歯予防に欠かせないフッ素
フッ素は虫歯を予防するために欠かせない成分です。
この成分は虫歯の原因となる酸の発生を抑え、歯の再石灰化を促進します。
さらに、歯垢(プラーク)に潜む細菌の活動を抑える働きもあり、歯を強くするうえで大きな役割を担っています。
ちなみに、歯磨き粉によっては「~ppm」と表示されているものもありますが、これはフッ素の濃度を表しています。
高いものだと1450ppmの歯磨き粉もあり、虫歯予防に大きな効果が期待できます。
ただし、6歳未満の子どもに使うと、歯の表面に褐色の斑点が生じるフッ素症を起こす可能性があるので気をつけてください。
汚れを落とす研磨剤
歯磨き粉によっては「清掃剤」と記されている研磨剤。
この研磨剤には歯の表面を滑らかにする、着色による汚れを落とすといった効果があります。
ただし、わずかずつではありますが研磨剤の効果で歯が削れてしまうこともあるので注意が必要です。
これを防ぐため、なるべく研磨剤が含まれていないもの、または研磨剤の割合が低い歯磨き粉の使用をおすすめします。
成分を行き渡らせる発泡剤
発泡剤は歯磨き粉の泡立ちをよくするための成分で、他の有効成分を口の中に行き渡りやすくさせる効果があります。
ただし、泡が多いと磨き残しに気づきにくくなるというマイナス面に気を付けなければなりません。
特に歯の裏側や細かい部分を磨き残してしまいがちです。
しっかりと歯を磨くため、できれば発泡剤が入っていないもの、または少なめの歯磨き粉を選びましょう。
歯磨き粉にはさまざまなタイプあり
歯磨き粉の形状にはペーストタイプのほか、ジェルタイプや液体タイプがあります。
それぞれ異なる特徴があり、特定の症状がある方に最適なタイプもありますので、状況に応じてタイプを選びましょう。
最もオーソドックスなペーストタイプ
歯磨き粉で一般的なのがペーストタイプです。
このタイプの長所は歯磨き粉が歯に付着しやすいこと。
また、ペーストタイプはさまざまな風味があることも特徴のひとつです。
磨き残しを減らすジェルタイプ
ジェルタイプは口の中をすすぎやすいのが特徴。
研磨剤や発泡剤の含まれていない歯磨き粉が多く、磨き残しを減らす効果があります。
また、刺激が少ないのでインプラント治療を受けた方や歯茎が敏感な方におすすめ。
他には、歯の隙間にも有効成分が行き渡りやすいというメリットもあります。
歯を傷つけにくい液体タイプ
液体タイプは歯の表面を傷つけにくいという長所があります。
歯ブラシでは磨きづらい歯の隙間にも有効成分が届きやすいのも特徴のひとつです。
ちなみに、液体タイプはまず適量で口内をすすいでから歯ブラシで磨くのが一般的です。
目的別おすすめ歯磨き粉20選
歯磨き粉の効果は虫歯予防だけではありません。
口臭や歯周病の予防効果、歯の着色を落とすホワイトニング効果といったように、その効果はさまざま。
こちらでは歯磨き粉の成分や具体的な効果を解説していきますので、歯磨き粉選びの参考にしてください。
ホワイトニング歯磨き粉で歯の黄ばみを落とす
歯についた黄ばみを落とすにはハイドロキシアパタイトやポリリン酸ナトリウムを含む歯磨き粉が有効です。
歯の表面を覆うエナメル質に似た成分のハイドロキシアパタイトは歯の小さな傷を埋め、ポリリン酸ナトリウムは歯の表面から色素を浮き上がらせる効果があるといわれています。
トゥースMDホワイトEX
歯と汚れの間に入り、汚れをつきにくくするウルトラメタリン酸EXをたっぷりと配合しています。
歯の着色を落としつつエナメル質を保護して、歯が持つ本来の白さを保ちます。
NATURECOホワイトニングパウダー
安全性が高く、歯との相性もいい、天然由来の卵殻アパタイトを40%配合しています。
歯の黄ばみに吸着して除去するだけでなく、口臭の原因となる物質も取り除いてくれる粉末タイプの歯磨き粉です。
クリアクリーン プレミアム 美白
歯の表面についた汚れが影響を与える「光沢」「色」「明るさ」に着目した商品です。
沈着汚れや着色汚れを落とし、歯の白さや明るさ、つややかさが保たれるようにしっかりコートしてくれます。
口臭予防の歯磨き粉で口内を殺菌
口臭の原因となる細菌を減らすには、塩化亜鉛や塩酸クロルヘキシジンなど、効果的な成分が数多くあります。
歯周病や歯槽膿漏も口臭の原因になりますので、その場合は殺菌力のあるイソプロピルメチルフェノールなどを含む歯磨き粉にするといいでしょう。
薬用パールホワイトプロシャイン
イソプロピルメチルフェノールと香味剤のチャ乾留液の相乗効果で口臭を予防してくれます。
歯周病を起こす細菌がたまっている部分まで成分が浸透して殺菌し、歯周病の予防にも役立ちます。
なた豆すっきり柿渋歯磨き
ナタマメエキスと、柿から抽出されたカキタンニンが口臭や口内のネバネバを予防してくれます。
歯垢を取り除きつつ歯周病の原因となる細菌の働きを抑制し、口の中の健康を保ちます。
デンター クリアMAX スペアミント
薬用成分のイプシロン-アミノカプロン酸が口臭や歯肉炎を防ぎます。
高品質天然ミントオイルを配合し、クレンジング成分とクリーニングパウダーの効果とあいまって歯磨き後はスッキリ爽快です。
虫歯予防の歯磨き粉でプラークを除去
歯垢に付着した細菌が酸を出し、歯を溶かすことで虫歯が起こります。
この働きを抑えるには、先ほども記したとおりフッ素が効果的です。
その他にもキシリトールやイソプロピルメチルフェノールなど殺菌効果がある成分も虫歯の予防に役立ちます。
クリニカ アドバンテージ
1450ppmの高濃度フッ素で虫歯の発生と進行を抑えつつ、歯のエナメル質を修復します。
歯垢を分解して除去する酵素や、歯垢を落としやすくするテトラデセンスルホン酸ナトリウムも配合されています。
アパガード プレミオ
この歯磨き粉に含まれるナノ粒子薬用ハイドロキシアパタイトは歯垢を除去し、歯の主成分を補給してくれます。
ミネラルが溶け出してしまった歯のエナメル質を改善し、再石灰化を促します。
ライオン デントチェックアップ スタンダード
カチオン化セルロースがフッ素を歯に引きつけ、歯を再石灰化させる働きをアップさせてくれます!
研磨剤や発泡剤が少なめなので、磨き残しを防ぐのにも効果的な歯磨き粉です。
歯周病予防の歯磨き粉で歯肉を健康に
歯周病は歯肉炎、歯周炎など歯の周囲で起こる炎症の総称で、進行すると歯茎や歯を支える骨にダメージを与える歯槽膿漏などを引き起こします。
これを防ぐにはイソプロピルメチルフェノールや塩化セチルビリジニウムといった成分が有効です。
もし歯茎が弱っているようでしたら炎症を起こさないよう、研磨剤が入っていないか、または研磨剤が少量の歯磨き粉にすることも大切です。
カムテクト コンプリートケアEX
イソプロピルメチルフェノールの効果でバクテリアを殺菌して歯肉炎を予防してくれます。
さらに抗炎症作用のあるグリチルリチン酸モノアンモニウムが歯槽膿漏の予防にも効果を発揮します。
ガム・ デンタルペースト
塩化セチルピリジニウムが歯周病の原因となる細菌を殺菌すると同時に、菌の破片までしっかり除去してくれます。
歯肉炎や歯周炎を防ぐため、グリチルリチン酸ジカリウムも配合されています。
ライオン デント システマ デンタルペーストアルファ
歯垢の表面にあるバイオフィルムにイソプロピルメチルフェノールが浸透して、歯周病を起こす細菌をしっかりと殺菌してくれます。
低研磨性、低発泡性なので、歯茎が弱り気味の方も安心して使えます。
知覚過敏予防の歯磨き粉で口内トラブルをブロック
歯のエナメル質が削れて象牙質がさらされ、神経が刺激されやすくなる症状が知覚過敏です。
この症状には硝酸カリウム、硫酸カリウムを含む歯磨き粉や、高濃度フッ素を配合したものなどが有効です。
ただし、知覚過敏だと思ったら診断が必要なので、早いうちに歯医者さんに相談したほうがいいでしょう。
薬用シュミテクト
歯磨きの時や、冷たいものや熱いものを飲んだ時などに起こる、歯がしみる感覚を1450ppmと高濃度のフッ素が抑制します。
歯磨きを毎日欠かさないことで、しみる痛みを24時間できるだけ抑えてくれます。
ノニオプラス知覚過敏ケア
硝酸カリウムからなるイオンバリア成分が、象牙質を抜けて神経に伝わる痛みを予防してくれます。
他にも知覚過敏を抑えられるよう、1450ppmと高濃度のフッ素も配合されています。
子ども用の歯磨き粉は成分をチェック
子どもたちの歯は成長途上ですから、歯を傷つけないように研磨剤が入っていない歯磨き粉か、または少ないものを選びましょう。
さらに磨き残しを防ぐため、発泡剤が少なめの歯磨き粉がおすすめです。
もしご家庭内で同じ歯磨き粉を使うようでしたら、ミントの風味が弱いものにしておくと子どもたちも使いやすくなります。
ライオン チェックアップコドモ
低発泡性と高分散性のあるソフトペーストの効果で、口内にフッ素が保持されやすいのが魅力の子ども用歯磨き粉です。
子どもたちに人気のあるグレープやストロベリーなど3種類の香味があります。
クリニカキッズ ジェルハミガキ グレープ香味
フッ素の効果で歯のエナメル質の再石灰化を促進して虫歯を予防してくれます。
ジェルタイプなので子どもでも口のすすぎがしやすく、歯磨きを始める際に最適な歯磨き粉です。
Doクリア 薬用こどもハミガキ イチゴ味
フッ素の他に還元パラチノースを配合し、従来の歯磨き粉と比べて歯の再石灰化の効果は約2.2倍です。
歯の健康を保つうえで欠かせないカルシウムの吸収を促し、歯を丈夫にしてくれます。
電動歯ブラシ用の歯磨き粉を選ぶ時の注目点
電動歯ブラシを使う時は、飛沫が飛び散りにくいペーストタイプの歯磨き粉が最適です。
また、強力なブラッシングで歯を傷つけてしまわないよう、研磨剤の入っていない歯磨き粉を選びましょう。
ガム・デンタルジェル 電動ハブラシ用
飛び散りにくいうえ、口内のすみずみまで殺菌してくれる電動歯ブラシ用の歯磨き粉です。
薬用成分のグリチルリチン酸ジカリウムも配合され、歯茎の炎症を抑える効果もあります。
音波&電動歯ブラシ用歯みがきペースト
電動歯ブラシだけでなく音波歯ブラシにも対応しています。
研磨剤の含有量が少なく、歯を傷つける心配がありません。
発泡剤の量もとても少ないので、丁寧にじっくりと歯を磨きたい方におすすめです。
EPD プラチナナノ 液体ハミガキ
こちらの歯磨き剤は優れた抗菌作用のあるプラチナナノ粒子入りで、刺激の少ないマイルドミントの香りが配合されています。
液体タイプなので歯の隙間まで有効成分がやさしく広がります。
まとめ
歯磨き粉には効果の違いだけでもさまざまな種類があります。
目的に合った歯磨き粉を選んで、お口の中の健康をしっかり保ってください!
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