お正月に、おせちとともに食べられる料理の定番といえばお雑煮です。
お雑煮は江戸時代に庶民に広がり、そこから地域ごとの歴史や風土などにつちかわれて、現在の形になったといわれています。
具材はその土地の産物が中心で、地理や気候など自然条件が大いに関係しています。
お正月の食卓の定番となったお雑煮には、実は古い歴史やさまざまな文化が詰まっているのです。
今回は、お雑煮の登場から全国に広がっていくまでの経緯や由来、また各地域のご当地お雑煮の人気レシピもご紹介します。
お雑煮の由来や地域ごとの違いとは?
お正月料理の定番ともいえるお雑煮ですが、お餅の形や具の種類、味付けに使うだしや味噌など、その内容には地域や家庭によって個性があります。
東日本と西日本という大きな括りでの違いだけでなく、同じ県内でもどの地域に住んでいるかによって作り方が微妙に異なります。
さらに各家庭でも家族の好みに合わせて味付けや具材、作り方などを工夫しています。
そのため、バリエーションは千差万別といえるでしょう。
各地の味付けや具材を見てみると、日本人の暮らしを支えてきた多種多様な自然の恵みも垣間見ることができます。
お雑煮は伝統的な食べ物である一方、日本各地の風土や特産品、各家庭の味などを反映し、変化し続けてきた料理でもあるのです。
お雑煮の習慣はどのようにして生まれ、また地域ごとに分かれていったのでしょうか。その由来から見ていくことにしましょう。
お雑煮の由来
お雑煮はいつから始まったのでしょうか?
室町時代に書かれた「鈴鹿家記」という書物に初めて「雑煮」の記述が見られます。
現在確認されている限りではこれが初出です。
はじめは貴族や武家などの上流階級の間で、宴会の席に供される酒の肴として提供されていたようです。
お餅と菜(野菜)を煮て一緒に食べることで、「名(=菜)を持ち(=餅)上げる」という縁起担ぎだったという説もあります。
時代を経るにつれて、これが徐々に庶民の間にも広まっていったと考えられています。
当時はお餅の原料となる米は高級品だったため、庶民の間ではお餅ではなく里芋を使っていました。
また、当時はお正月だけでなく、年に数回、神事のときの料理やお供え物として作られていました。
そのあと、歳神様にお供えした里芋、にんじん、大根といった野菜などの食物を煮て、歳神様のお下がりとしていただいていました。
昔はさまざまな食材を混ぜて煮ることにちなんで「煮雑ぜ(にまぜ)」と呼ばれていましたが、これが「雑煮」の語源といわれています。
お雑煮の中身には各地域によって違いがありますが、その違いはお餅がかんたんに手に入るようになった江戸時代にはすでに存在していたと考えられています。
つゆの味付けも地域ごとに特色があります。
「すまし仕立て」は全国各地に存在しおり、関西地方および四国の東側では「白味噌仕立て」、島根県と鳥取県ではお汁粉のような「あずき仕立て」があります。
だしのとり方もさまざまで、秋田県ではハタハタの塩辛から作った塩魚汁(しょっつる)、宮城県では焼きはぜ、福島県では貝柱から取っただしというように、地域の産物を活かした特徴あるだしも使われています。
当時、北海道と沖縄はまだ独自の文化を保っていましたが、北海道に伝わったのは明治時代以降、本州から人が移住してきたあととする説が有力です。
沖縄では、最近では家庭によってお雑煮を食べるところもあるようですが、代わりに「イナムドゥチ」という豚のもつを使った白味噌仕立ての汁物や、「クーブイリチー」という昆布と豚肉の炒めものなどといった、昔ながらの沖縄独自の郷土料理を食べるのが一般的です。
関東風と関西風の違い
お雑煮には、大きく分けて関東風と関西風の二種類があり、それぞれ具材や味付け、作り方などに違いがあります。
両地域での主な違いはお餅の形と汁の味付けですが、他にもどのような違いがあるのか比べてみましょう。
それぞれに使用する具材や調味料などについてもご紹介していきます。
関東地方
関東地方では、具に角餅を使うのが特色です。
昔、お餅は高級品であり、一般的にお雑煮にお餅を入れるようになったのは江戸時代以降。
当時は江戸を中心に関東地方に人口が集中していたため、たくさんの人数分を作るために、一つ一つ手でちぎって丸めなくてはならない丸餅よりも、一度に多く作ることができる角餅を採用したのがきっかけだと言われています。
また、お餅は煮るのではなく、焼いたものを入れるのも特徴です。
昆布やカツオでだしを取り、醤油で仕立てた白だしのすまし汁で作ります。
またお餅以外には、小松菜やほうれん草、椎茸、にんじん、かまぼこ、三つ葉などの具材を入れるのが定番です。
関西風でよく使われる里芋はあまり使われず、代わりに鶏肉が入っているのも関東風の特徴でしょう。
関東風雑煮におすすめ|サトウの切り餅 パリッとスリット
お餅を焼いていたら変な場所で割れて中身が膨らんできてしまった…という、焼き餅でありがちな失敗を避けたいなら「パリッとスリット加工」が施されたサトウの切り餅がおすすめです。
中央に入ったスリットの部分からお餅の中身が膨れるため、よりおいしそうな見た目に焼きあがります。
国内産水稲餅米だけを使い、一臼一臼丁寧に仕上げた味は絶品の一言です。
関東風雑煮におすすめ|キッコーマン しょうゆ
伝統の色・味・香り。キッコーマンを代表するこいくちしょうゆです。
和・洋・中華どんな料理にも合い、世界中で愛用されています。
遺伝子組換えをしていない大豆を使っているのもポイント。
原料にこだわる方にこそ、手に取ってほしい1本です。
関西地方
関西のお雑煮に入っているお餅は、丸餅が主流です。
これは、丸餅の丸い形が、満月や「物事が丸くおさまる」ことを象徴する縁起物として考えられているから。
また、関東風のお餅は焼いてから入れますが、関西風では焼かずに入れて具材と一緒に煮込むという作り方が特徴的です。
お餅以外の具材には、にんじん、大根、里芋が定番として愛されています。
味付けは、昆布でだしを取った白味噌仕立ての味噌汁風のものが多いです。
もともと京都の料理ではお雑煮以外でも白味噌を使うことが多いため、京都から伝わった関西地方のお雑煮は白味噌ベースが一般的になったようです。
関西風雑煮におすすめ|うさぎもち 特別栽培こがね丸餅
国産餅米100%使用。新潟県笹神地区産で特別に栽培した、こがねもち米でつくられた最高級のお餅です。
できたてのおいしさを保つため、一つずつ個包装されています。
個包装にも賞味期限が印字されているので、外袋開封後も安心して長期保存が可能です。
関西風雑煮におすすめ|石野白味噌
230年以上もの歴史をもつ京の名店「石野味噌」が作り出す白味噌は、京都だけでなく日本全国で高い評価を得ています。
関西風のお雑煮にふさわしい繊細な風味と、はんなりとした甘みが特徴です。
長い熟成期間が必要な赤味噌とは異なり、白味噌は短期熟成で作られます。
そのため、原材料の良し悪しと職人の腕が味の決め手です。
京都の中でも名高い名水「石井筒」の湧水と、丁寧に精米した米からできた麹を、熟練の職人たちが柔らかく煮上げ、決して大量生産をせず、毎日毎日職人たちが適量を仕込み続けています。
お正月という特別な日にこそ、味わいたい逸品です。
おうちでかんたん!定番のお雑煮レシピ
ここからは、ご家庭でもかんたんに作れるお雑煮の定番レシピとおすすめの食材についてご紹介していきます。
関東風お雑煮
関東風のお雑煮は、鶏肉のだしをきかせたシンプルな味付けに焼き餅の香ばしい香りが特徴です。
材料(2人分)
- 大根 20g
- にんじん 20g
- 鶏もも肉 50g
- 塩 少々
- ほうれん草 50g
- 角餅 2個
- 水 2カップ
- (A)うす口醤油 小さじ1
- (A)顆粒だし 小さじ1/2
- (A)塩 小さじ1/2
- かまぼこ 2枚(8mm幅切り)
- 三つ葉 4本(ザク切り)
- ゆずの皮 適量(松葉ゆず)
作り方
(1)大根、にんじんは5cm長さの短冊切りにする。
顆粒だし小さじ1/2(分量外)を入れた湯で大根、にんじんの順にゆでる。
(2)ほうれん草はサッと塩ゆで。
水気をしぼり、長さ5cmに切る。
鶏肉はそぎ切りにする。
塩をふり、しばらくおいてサッと湯に通す。
(3)お餅は焼を焼き、少し焦げ目をつける。
(4)鍋に分量の水を入れて沸かし、(A)の材料を加えて味を調え、すまし汁を作る。火を弱めて(2)の鶏肉を加え、沸騰させないまま鶏肉に火を通す。
(5)お椀に(3)のお餅、(1)の大根・にんじん、かまぼこ、(2)のほうれん草、三つ葉、ゆずを盛りつけ、(4)の鶏肉を入れ、すまし汁をはる。
※大根、にんじんについて、厚めに皮をむき、輪切りにするのもおすすめです。
使い切りタイプで便利!ほんだし
顆粒タイプの和風だしの素といえば、味の素の「ほんだし」が有名です。
水に溶かすだけで、削り節や昆布からだしをとったような、本格的な和風のだし汁が作れます。
こちらの商品では、従来の2種類のかつお節に加えて、新製法で削られたかつお節を新たに追加しました。
かつお節づくりでもっとも大切な焙煎と熟成にとことんこだわった、新かつお節です。
これら3種類のかつお節を最適なバランスでブレンドし、香りだけでなくコクや味わいにもとことんこだわって作られています。
8gの個包装のため、酸化する前に使い切れるのも便利。
毎日の家庭料理はもちろん、お雑煮のだしにも最適です。
関西風お雑煮
関西風お雑煮は、昆布だしに白味噌ベースの優しくて上品な味付けが特徴。
お餅にはゆでた丸餅を使います。
その他、にんじん、大根、里芋が具材の定番です。
材料(2人分)
- 里芋 2個
- 大根 20g
- 京にんじん 20g
- 丸餅 2個
- 水 6カップ
- 顆粒だし 小さじ1と1/4
- 顆粒昆布だし 小さじ1/4
- 白味噌・西京白味噌 60g
- 糸がつお 適量
- ゆずの皮 2枚(丸く切る)
作り方
(1)里芋は面取りをしつつ形よく皮をむく。
塩もみし、ぬめりを取る。
水2カップと顆粒だし小さじ1/2(分量外)を入れ、そのお湯でやわらかくなるまでゆでる。
(2)大根、にんじんは5mm幅に切り、梅型で抜く。水2カップに顆粒だし小さじ1/2を入れた湯で大根、にんじんの順にゆでる。
丸餅は熱湯でやわらかくゆでる。
(3)鍋に水を入れる。
沸騰したら、顆粒だし・顆粒昆布だしを加えて火を弱める。
次に白味噌を加えたうえで沸騰しないように汁を作る。
(4)お椀に(2)の丸餅を入れ、(1)の里芋、(2)の大根・にんじんを形よく盛りつける。
熱い状態の(3)の汁をはり、糸がつお、ゆずの皮をのせる。
北海道産真昆布粉末を使用!ほんだし 昆布だし
クセがなく、上品な甘みが特徴の北海道産真昆布粉末を使用した、ほんだしの昆布だしバージョンです。
まろやかな風味の昆布だしは、どのような素材と一緒に使っても素材の味を引き立てくれます。
野菜との相性も抜群で、里芋や大根、にんじんを使った関西風のお雑煮にもぴったりです。
レンジでつくれる!かんたんお雑煮
野菜やお餅をレンジでチンするだけでかんたんに素早くお雑煮が作れます。
寒い日の朝食にいかがでしょうか。
材料(2人分)
- 鶏もも肉 50g
- (A)塩 少々
- (A)酒 少々
- 大根 20g
- にんじん 20g
- ほうれん草 50g
- 角餅 2個
- (B)湯 2カップ
- (B)醤油 大さじ1
- (B)みりん 小さじ1
- (B)顆粒だし 小さじ1
- (B)塩 小さじ1/2
作り方
(1)鶏肉はそぎ切りにする。
耐熱容器にのせて(A)をふったら、ラップをかけて電子レンジで1分加熱する(600W)。
(2)大根、にんじんは8mm幅の輪切り。
耐熱容器にのせて水少々をふる。
ラップをかけて電子レンジで約50秒加熱する。
(3)ほうれん草を長さ5cmぐらいに切る。
耐熱容器に移して水を少々ふったら、ラップをかける。
電子レンジで約40秒加熱。
(4)角餅をクッキングシートに並べ、電子レンジで様子を見ながら1分〜1分25秒加熱する。
(5)鍋に(B)をすべて入れて火にかけ、すまし汁を作る。
(6)お椀に(1)〜(4)の具材を盛りつけ、熱い状態の(5)のすまし汁をはる。
1分でやわらかいお餅に!レンジでやわらかお餅
レンジで作るお餅をもっとおいしく食べたいなら、レンジ専用のお餅調理道具を使いましょう。
容器にお餅と水を入れて1分チンするだけで、つきたてに近い「やわらかおもち」の完成です。
お箸を使わなくても、熱くなったお餅を片手でかんたんに取り出せるザルも一緒に付いています。
ただし温める際に、オート加熱やおまかせ過熱の使用はNGなので注意しましょう。
いつもと違うお雑煮にチャレンジ!アレンジレシピ
お雑煮はお正月の定番料理とはいえ、三が日の間同じ味を食べ続けていれば飽きてしまうことも。
そんなときは、少し手間をかけて、いつもと違う味のお雑煮はいかがでしょうか。
飽きずに食べられるお雑煮のアレンジレシピをご紹介します。
お雑煮そば
お雑煮に使う和風だしはおそばにも相性抜群です。
お餅と合わせるとボリュームたっぷりなので、手軽な主食としても使うことができます。
材料(2人分)
- 干しそば 40g
- 切り餅 1個
- かまぼこ 2枚(8mm幅の薄切り)
- 小松菜 40g
- にんじん 2枚(花形切り)
- (A)水 2カップ
- (A)醤油 小さじ1
- (A)うす口醤油 小さじ1
- (A)みりん 小さじ1
- (A)顆粒だし 小さじ1
- (A)塩 少々
作り方
(1)お餅は半分に切り、トースターやフライパンで焼く。
かまぼこは、結びの飾り切りにする。
小松菜は塩ゆでして4cmの長さに切り、にんじんは塩ゆでする。
(2)たっぷりの湯でそばをゆでる。
(3))鍋に(A)を入れて温め、そばだしを作る。温まったら、器に注いで(2)のそば、(1)の具材を盛りつける。
※お好みで一味唐がらしをふったり、ゆずの皮を散らすと風味が増し、おいしくなります。
そばの定番といえばこれ!山本かじの 伝統の二八そば
なめらかな食感とそばののどごしを楽しみたいなら、二八そばがおすすめです。
二八そばは江戸時代から「そばは二八(小麦粉2:そば粉8)が一番おいしい」と人気を集めてきました。
そんな二八そばのなかでも、山本かじののそばは別格です。
辛口採点で知られる女性雑誌などでも、高く評価されています。
一口すするだけで、そばの香りと奥深い味わいが口いっぱいに広がります。
カレー雑煮
醤油ベースのすまし汁にカレールーを加えれば、カレー味のお雑煮に早変わり。
小さなお子様にも喜ばれるアレンジメニューです。
材料(2人分)
- 角餅 2個
- 鶏もも肉 60g
- 塩 少々
- こしょう 少々・青ねぎ 適量(小口切り)
- しょうが 適量(すりおろし)
- サラダ油 小さじ1(炒め油用)
- なす、れんこん、しめじ などお好みで
- 水 2カップ
- (A)カレールー 30g
- (A)うす口醤油 小さじ1
- (A)顆粒だし 小さじ1
- (A)塩 小さじ1/2
作り方
(1)鶏肉は一口大に切り、塩・こしょうを軽くふる。
(2)お好みの野菜を食べやすいサイズに切って油(分量外)で素揚げする。
(3)少し焼き目がつく程度にお餅を焼く。
(4)鍋に油小さじ1を熱し、(1)の鶏肉、しょうがを入れて炒める。
水を加え、少し煮込み、(A)の材料を加えて味を調え、スープカレーを作る。
(5)器に(2)の野菜、(3)のお餅、(4)の鶏肉を形よく盛りつける。
(4)のスープカレーを器に注ぎ、仕上げに刻んだ青ねぎを散らす。
※鶏肉も野菜と同じように素揚げにしておくと、きれいな形に仕上げられます。
30種類のスパイス配合!Hachi カレー専門店のカレールー
カレー雑煮の味はカレールーで決まるといっても過言ではありません。
こちらのカレールーは、約30種類ものスパイスを配合して作られたカレー粉に、インドの家庭料理でおなじみのガラムマサラを加えて仕上げられています。
味は中辛のため、辛いカレーが苦手という方でもチャレンジしやすいでしょう。
保存しやすいように袋にはチャックが付いています。
洋風雑煮
白味噌ベースにコンソメを加えることで、ガラッと雰囲気を変えてクリームシチューのような味わいの洋風雑煮を作ることもできます。
材料 (4人分)
- 丸餅 4個
- 白味噌 50g
- 固形チキンコンソメ 1個
- 水 400cc
- 牛乳 200cc
- かぶ 1個
- れんこん 1/2個
- にんじん 1/2本
- ごぼう 1/2本
- 鶏もも肉 150g
- 酒 大さじ1
- 水溶き片栗粉 小さじ1
作り方
(1)かぶはくし形切りにする。れんこん・にんじん・ごぼうは乱切りにする。
(2)鶏もも肉は一口大に切り、酒をかけて下味をつける。
(3)水にチキンコンソメを加えて溶かす。
(4)(1)の野菜を加え、やわらかくなるまで煮る。
(5)やわらかくなったら、鶏肉を追加する。
(6)牛乳を加えひと煮立ちさせ、白味噌を溶き加える。
(7)水溶き片栗粉をまわし入れて丸餅を加え、やわらかくなったら椀に入れる。
チキンのうま味たっぷり!クノール チキンコンソメ
チキンのコクとうまみが際立つ、固形タイプのコンソメです。
クセの少ないまろやかな味が特徴で、洋風雑煮の風味を邪魔しません。
お雑煮以外には、雑炊やポトフにもよく合います。
【地域別】全国の絶品お雑煮レシピも!
代表的な関東風と関西風のお雑煮を紹介してきましたが、全国各地にその土地で採れる食材を使った「ご当地お雑煮」があります。
ご家庭でも作れるご当地お雑煮レシピと、おすすめ食材をご紹介します。
岩手県:くるみ雑煮
岩手県の沿岸部にある宮古地方に伝わるお雑煮が「くるみ雑煮」です。
甘いくるみだれ、そして煮干しだしのすまし汁という珍しい組み合わせです。
具は角餅と、大根、にんじん、さつまいもなどの根菜。
上にはいくらをたっぷりとかけます。
汁は煮干しだしの醤油ベースが一般的です。
食べる際には、お椀から角餅だけを取り出して、くるみだれをつけます。
魚の旨味が広がる醤油だしの塩気と、くるみだれの甘味が合わさって、まろやかで複雑な味わいを醸し出す至福の味です。
目にも華やかで豪華なお雑煮です。
材料(2人分)
- 大根 4cm
- にんじん 1/4本
- さつまいも 50g
- 角餅 2個
- いくら 適量
- 酒 大さじ1
- 醤油 大さじ1〜2
- (A)だし(水1リットル、煮干しひとつかみ弱)
- (B)くるみだれ(くるみ50g、砂糖小さじ1、醤油小さじ1)
作り方
(1)(A)のだし材料を小鍋に入れて火にかけ、沸騰する直前に弱火で約10分。
こしてだしを取る。
(2)(1)のだしを火にかけ、さつまいも、大根、にんじんの順に入れる。
火が通るまで煮たら、酒、醤油で調味をする。
(3)(B)の材料でくるみだれを作る。
すりばちにくるみを入れて、しっかりとペースト状になめらかになるまで擦り、砂糖、醤油、水を加えて伸ばす。
(4)角餅をコンロで焼き、焦げ目が両面についたら(2)とともに椀に盛る。仕上げとしていくらを添える。
少量サイズでくるみだれ作りにぴったり!神戸のおまめさんみの屋 生くるみ
アメリカ産。
多価不飽和脂肪酸がたっぷり詰まった生くるみです。
くるみには良質なビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、栄養バランスに優れた食材として注目を集めています。
くるみだれの材料としてだけではなく、ダイエット中のおやつやおつまみにもぴったりです。
神戸で50年以上もの歴史をもつこちらのお店の生くるみは、創業以来培われてきた製法と厳選した材料を使い、安心・安全にこだわって製造されています。
すべての作業工程を国内工場で行っているのもおすすめできるポイントです。
新潟県:鮭といくらのお雑煮
鮭の身といくらが入ったすまし汁のお雑煮です。
材料(4人分)
- 切り餅 4個
- 鶏むね肉 (小) 1枚(150g)
- 生鮭 (切り身) 1切れ
- いくら 大さじ4
- 大根 3〜4cm
- にんじん 3〜4cm
- ごぼう 10cm
- 干し椎茸 4枚(水で戻して軸を除く)
- だし 1リットル(水1リットルに顆粒だし小さじ2と1/4)
- 三つ葉 適量(ザク切り)
- 柚子の皮 適量
- 酢 適量
- 塩 適量
- 醤油 適量
作り方
(1)大根とにんじんは短冊形に切り、ごぼうはささがきにして酢水にくぐらせる。
鍋に野菜を入れひたるほどの水を加え、中火に。
ゆでたらざるに上げて、水気を切る。
(2)鮭は一口大に切る。
塩を少々ふり、魚焼きグリルで焼き色がつくまで焼く。
焼き網(またはグリル)でお餅を焼く。
鍋にだしを入れて中火で沸騰させる。
好みの大きさに切った鶏肉を加えて、火が通るまで煮る。
(3)(2)の鍋に(1)と縦半分に切った椎茸を入れてサッと煮る。
醤油と塩各適量、酒大さじ1で味をつけて、ひと煮立ちさせる。
椀に野菜、焼いた鮭、鶏肉、お餅を入れ、いくらを盛る。
熱い汁を注ぎ、三つ葉と柚子の皮をあしらう。
小粒でも新鮮・濃厚!森源商店 いくら醤油漬け
日本では珍しい、鮮度抜群のサーモントラウトの卵を使ったいくら醤油漬けです。
粒は小さめですが、その分濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。
サーモン脂のねっとりとしたおいしさはやみつきになること間違いなしです。
養殖場で水揚げした直後に加工しているため、皮残りや生臭さはほとんどありません。
一級品と呼ぶにふさわしい、お正月のお雑煮用に最適ないくらです。
こちらの商品は200g入りで、いくら丼にすると約4杯分、軍艦巻きにすると約20貫分とたっぷり入っています。
奈良県奈良市:きな粉雑煮
奈良県特有のお雑煮「きな粉雑煮」とは、お雑煮のお椀の横に、きな粉が入ったお皿が添えられたものです。
一番の特徴は、汁の中に入っている焼き餅をそのまま食べずに一旦取り出して、きな粉につけて食べる点です。
汁のほのかな塩気ときな粉の甘味が絶妙にマッチして、甘さ控えめの和菓子を食べているような感覚が楽しめます。
お餅はきな粉に付けずに汁の味でそのまま食べてももちろんOKです。
一杯のお雑煮で味噌味ときな粉味、二種類のおいしさのお餅が楽しめます。
「きな粉には悪霊を追い払う効果があると信じられていた」、「きな粉の黄金色が縁起物として適していた」など、きな粉を添える理由には諸説あるようです。
地域によって醤油ベースと白味噌ベースの味付けの違いがあるようですが、今回は白味噌ベースのものをご紹介します。
材料(2人分)
- 里芋 2個(140g)
- 大根 30g
- にんじん 30g
- もめん豆腐 50g
- こんにゃく 50g
- 丸餅 2個(100g)
- だし 700ml(水700mlに顆粒だし小さじ1と1/2)
- 白味噌 60g
- うす口醤油 小さじ1/2
- (A)きな粉 大さじ3
- (A)砂糖 大さじ1
- (A)塩 少々
作り方
(1)里芋、大根、にんじんは皮をむき、5mm厚さの輪切りにする。
豆腐は5cm、こんにゃくは5mmの厚さに切る。
(2)小鍋に湯を沸かし、こんにゃくをサッとゆでて水気を切る。
(3)鍋にだしと野菜を入れ、中火で約10分煮る。
(4)野菜がやわらかくなったら、豆腐とこんにゃくを加える。
ひと煮立ちしたら、味噌を溶き入れ、うす口醤油を加えて火を止める。
(5)お餅はグリルかオーブントースターで薄く焼き色がつくまで焼く。
(6)(4)にお餅を加えて軽く温め、椀に盛る。
A(きな粉大さじ3、砂糖大さじ1、塩少々)を合わせて添え、お餅をつけて食べる。
自家焙煎の深い味わい!KISSHOKARYO 自家焙煎きな粉ミヤギシロメ
宮城県は、大豆栽培面積が全国2位という大豆の一大産地です。
吉祥菓寮のきな粉は、そんな宮城の大豆の中でも高級ブランドとして知られる「ミヤギシロメ」を使って作られました。
ミヤギシロメはその名のとおり、宮城県でのみ生産される特別な大豆です。
さまざまな栄養素や機能性成分がたっぷり含まれています。
大豆の風味をしっかり感じられる味わいが特徴です。
きな粉餅以外にもホットミルクに混ぜたり、シリアルにかけたりとアレンジレシピの幅が広がります。
広島県広島市:牡蠣雑煮
広島県名産の牡蠣を使用したお雑煮。
「海のミルク」といわれるほどおいしくて栄養たっぷりの牡蠣を使った贅沢なお雑煮です。
牡蠣は地域特産のものであるとともに、「賀喜(カキ)」という当て字を使ったり、「福をカキ取る、カキ寄せる」といわれたりしており、お正月料理のメニューにぴったりの縁起がいい食材なのです。
香りにゆずの皮を加えることで、牡蠣の豊かな風味がより一層引き立ちます。
地域によって味噌仕立てとすまし汁仕立てのものがありますが、今回はすまし汁仕立てのお雑煮をご紹介します。
材料(4人分)
- 丸餅 8個
- 牡蠣(むき身) 12粒
- 大根 100g
- にんじん 1/2本
- (A)水 3カップ(下ゆで用)
- (A)顆粒昆布だし 小さじ1(下ゆで用)
- 細ねぎ 2本
- ゆずの皮 適量
- 顆粒昆布だし 小さじ2
- (B)水 5カップ
- (B)酒 大さじ1
- 味噌 大さじ3
作り方
(1)大根は厚さ5mmの半月切り。
にんじんも同じく厚さ5mmの輪切りにする。
(A)と一緒に鍋に入れ、柔らかくなるまで下茹でをする。
(2)細ねぎを小口切りにし、ゆずの皮は折れ松葉切りにする。
(3)牡蠣は薄い塩水の中でふり洗いし、ざるで水を切る。
(4)鍋に顆粒昆布だし、(B)を入れて煮立てる。
(3)の牡蠣を入れて、身がふっくらと色が白くなるまで火を通して取り出す。
(5)(4)にお餅、(1)を入れてお餅が柔らかくなるまで煮る。
味噌を溶き入れ、(4)の牡蠣を戻し入れてからひと煮立ちさせる。
(6)椀に(5)のお餅・具を盛り、(5)の汁を注ぎ、(2)の細ねぎとゆずをのせる。
残りはお刺身や鍋もおすすめ!どさんこファミリー 生食用むき牡蠣
根室市と釧路市の間に位置し、厚岸湾を抱く「厚岸町」は1年中牡蠣が採れる産地として知られています。
栄養豊富なプランクトンを食べて育った厚岸産の牡蠣は、ぷっくりした身と濃厚な味わいが特徴です。
もちろん生食もOK。
お雑煮に入れて余った牡蠣は、お刺身や牡蠣しゃぶ、牡蠣フライに使うのもおすすめです。
こちらのお店の生牡蠣は、漁獲日当日に発送し、翌日には注文者の元に届くよう手配されています。
とことん鮮度にこだわった生牡蠣を味わえるのがうれしいポイントです。
福岡県福岡市:博多雑煮
福岡県の博多にも独自の「博多雑煮」があります。
博多雑煮は具だくさんで、かつお菜、出世魚の鰤(ぶり)、丸餅が特徴的な具材です。
鰤は成長の度合いによって名前が変わっていく出世魚として有名で、おめでたい席の料理によく使われますが、博多雑煮でも欠かせない具材となっています。
また、かつお菜は博多に古くから伝わる野菜で、高菜の仲間に当たるものです。
「勝男菜」とも書き、縁起がよい食材として親しまれる博多の伝統野菜です。
茎の部分がかつお節の風味があることからこの名になったそうです。
色は濃い緑色で、肉厚の葉は縮れています。
その他の具として、かつお菜、かまぼこ、里芋、にんじん、焼き豆腐、椎茸など具だくさんでボリュームたっぷり。
具は各家庭で若干違うこともありますが、かつお菜だけは付き物です。
材料(2人分)
- 鰤 小2切れ
- かまぼこ 2切れ
- 里芋 1個
- にんじん 2cm
- かつお菜 1/2枚
- 焼き豆腐 1/4丁
- 干し椎茸 2枚
- 丸餅 2個
- (A)だしパック 1袋
- (A)水 400ml
- 干し椎茸の戻し汁 50ml
- (B)うす口醤油 小さじ2
- (B)みりん 小さじ2
- (B)塩 少々
- 柚子皮 少々
作り方
(1)鰤は塩(分量外)を多めにふりゆでておく。
里芋は半分に、にんじんはねじり梅にし、それぞれ下ゆでする。
かつお菜はゆでて3cm幅に切る。焼き豆腐は2等分に、干し椎茸は水で戻す。
お餅はゆでておく。
(2)(A)を火にかけ、沸騰したら2〜3分煮出し、(B)を追加する。
(3)(2)のだしににんじん、里芋、焼き豆腐、干し椎茸と戻し汁を加え、具材が温まったら、お餅、鰤、かつお菜を椀に盛り、他の具材も盛りつけだしを注ぎ、柚子皮を添える。
魚介のうま味を詰め込んだ万能だし!茅乃舎だし
焼きあご・かつお節・うるめいわし、真昆布の風味をバランスよく引き出した万能和風だしです。
その特徴は、厳選した国産素材を使い、化学調味料・保存料無添加で作られている点。
凝縮された魚介の風味が、味噌汁・煮物・うどん・そうめんなどさまざまな料理のおいしさを引き出します。
もちろん、お雑煮のだしとしても最適です。
骨処理済みですぐ使える!越若水産 骨取り切り身ぶり
調理に便利な骨取り、カット済みの冷凍ぶりです。
DHA・EPAなどの栄養素を、瞬間冷凍技術でしっかり閉じ込めました。
冷凍のまま料理に使えるのも人気の理由です。
いつでも新鮮な味わいをすぐに楽しめます。
まとめ
お雑煮は地域によって具材や味が異なり、日本各地でいろいろな食べ方で楽しまれています。
その特徴はそれぞれの歴史や地域性、特産物などと非常に密接な関わりがあり、さらには地域間での人の移動や交流に伴ってさまざまに進化してきました。
お正月以外にはなかなか食べる機会がないお雑煮ですが、地域ごとに昔から受け継がれた具材や調理方法が反映された、地域や家庭の食文化の結晶ともいえる料理なのです。
とはいえ、あくまで縁起物ですから、伝統的な製法に強くこだわる必要はありません。
いつものレシピにもうひと手間加えれば、その味わいや表情を大きく変えることもでき、ワンパターンになりにくい料理の楽しさも味わえるのです。
今回ご紹介したレシピや食材を参考に、ぜひ次のお正月は、お好みに合わせていつもと違うお雑煮にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
違う地域の味に挑戦することで、異文化を楽しめるかもしれません。