キッチンやゴミ箱などでよく見かけるコバエ。コバエは、ショウジョウバエやノミバエなど2mmから5mmほどの小さなハエの総称であり、「コバエ」という名称のハエは存在しません。また、ハエとコバエは全く別の種類なのです。
コバエは、人間に直接危害を加える生物ではありませんが、室内に1匹でもコバエがいると非常に不快な気分になります。また、どこからともなく食品にたかってくるため、衛生面で問題が発生し不安に思うこともあるでしょう。
しかし、コバエが発生する原因を知り、適切な対策をおこなうことで、コバエの発生を抑えることができます。今回は、コバエの正しい駆除法をご紹介します。
コバエが発生する原因
コバエにとって快適で過ごしやすい環境ができると、コバエの発生も増えてしまいます。まず具体的に、コバエが発生する原因を探ってみましょう。
ゴミや生ゴミを、処分せず放置している
コバエのうち、ショウジョウバエやノミバエは、生ゴミ・腐った肉・魚・野菜などを好みます。
流しや三角コーナーに生ゴミが放置されていたり、ゴミ箱のふたが開いたままになっていたりすると、集まってくる可能性が高くなります。
排水溝が汚いまま
ノミバエやチョウバエは、排水溝に近寄ってくることがあります。
特にチョウバエは、排水溝や排水管に発生する有機物のスカム(ヘドロの一種)が好物であるため、掃除をせずにそのままにしておくことは避けましょう。
湿気がある
コバエは、4月から11月くらいの間に活発に活動します。特に、気温30度前後、湿度が70%くらいの高温多湿な環境を好みます。
このため、梅雨の時期に発生しやすくなるのです。梅雨の時期は湿度が高い上に窓を開けづらくなるため、部屋の換気をすることも難しくなり、コバエが大量に増える原因となります。
観葉植物が原因の場合も
コバエの中で、キノコバエという種類があります。この種類は、観葉植物の養分を吸い取って栄養としたり、観葉植物の根元に生えているキノコの元である真菌をエサにしたりします。また、観葉植物の腐葉土にキノコバエの卵が紛れ込むこともあり、そこからハエの幼虫が生まれる場合もあります。
コバエはとても体長が小さい生物です。観葉植物をベランダに置いていても、網戸にほんの少し開いたすき間や窓を開けた瞬間に室内に侵入してきてしまうのです。
コバエを駆除する方法1:殺虫剤を使用する
コバエを駆除するのに最も手軽な方法は、殺虫剤を使用することです。コバエは動きがとても速いため、見つけたら殺虫スプレーを使って素早く退治することが大切です。
殺虫スプレーには、コバエに向かって直接かけるタイプのものと置き型タイプのものがあります。
直接スプレーするタイプ
■KINCHO コバエがいなくなるスプレー60回用
コバエが群がるところや、ゴミ箱・排水口・三角コーナーなどの発生元に1プッシュするだけで効果が現れます。さらに、約1週間の発生予防効果もあるので、生ゴミの周りや植木鉢などコバエを寄せ付けたくない箇所に使うのもおすすめです。ショウジョウバエやノミバエだけでなく、チョウバエ、キノコバエにも効果を発揮します。
無香料なので、においに敏感な方にも使っていただくことができます。
置き型タイプ
■フマキラー おすだけベープ ワンプッシュ スプレー 90回分 コバエ用
4畳あたり1回シュッと押すだけで、超微粒子の薬剤が瞬時に部屋中へ広がり、優れた効果を発揮します。発生元にいるコバエだけでなく、飛び回るコバエもまとめて駆除します。
キッチンに現れるショウジョウバエや鉢から発生するキノコバエ、水回りのチョウバエ、生ゴミを特に好むノミバエなど、さまざまな種類のコバエに対応しており、1本で家中のコバエを駆除することができます。生ゴミに直接スプレーするだけで、2日程度コバエを寄せ付けない効果が続きます。
室内などの空間に噴射したい場合は、部屋を閉め切ってから噴射し、その後忘れずに換気をおこないましょう。室内で使用しても、壁や床にベタつきが残らないため、掃除の手間もありません。
部屋で保管する時も場所を取らず、持ち運びしやすいコンパクトサイズです。
コバエを駆除する方法2:駆除用のトラップをしかける
コバエは、部屋中を飛び回っているので、スプレーを噴射しても駆除することが難しい場合があります。そんな時は、トラップをしかけてコバエを引き寄せる方法もおすすめです。この方法ですと、殺虫剤を噴射しないため、キッチンやダイニングなどの食品の近くや、お子さんやペットがいる部屋でも使いやすくなります。
トラップは、置き型タイプと吊るすタイプに分けられます。置き型タイプは、トイレやキッチンなどコバエが気になる場所に置くだけで、簡単に設置できます。また、吊るすタイプは玄関やベランダに吊るすことが多く、家の外から室内に侵入しようとするコバエを駆除するのに役立ちます。
置き型タイプ
■アース製薬 コバエがホイホイ
コバエの習性を研究して開発された、置くだけでコバエをおびき寄せる駆除剤です。コバエが好きな赤色の容器と、濃縮された紹興酒と黒酢の香りでコバエを強力に誘い出します。
止まり木効果で容器の先端にとまったコバエは、誘導路を通って容器の中に入り込んできます。容器の中にあるゼリーにもぐり込むと、コバエを殺虫することができるシステムです。ゼリーは高保湿性の角切りで乾燥に強いため、約1か月の効果持続期間の間は安定した殺虫効果が持続します。この商品は、特にショウジョウバエやノミバエに対して効果を発揮します。
■ 電撃殺虫器
使う場所によって、置き型または吊り下げどちらでも使用できる、薬剤を使っていない安心安全な電撃殺虫器です。UV光源吸引式誘虫灯と6Wの電流電撃により強力殺虫することが可能。
ファン式の殺虫器とは違い、羽根がついていないので静かに使用できます。また、コンセントに挿してスイッチを入れるだけですぐ使用できる点も魅力的。
薬剤だけでなくにおいもないので、一般家庭だけでなく飲食店やオフィス、事務所のエントランス、病院の待合室などでも使うことができます。
吊るすタイプ
■KINCHO コバエがポットン 吊るタイプ
自然界におけるコバエの習性を研究して設計された、吊るすタイプの新コバエ捕獲器です。場所によって、吊るすだけでなく置いて使用することもできます。
コバエの誘引力をUPさせるために採用したのは、コバエ誘引植物である「テンナンショウ」。この香り成分を配合することで、コバエをより強く誘引することができるようになりました。容器の構造に「リーディングエッジ構造」を採用したことで、コバエが容器の中に入りやすいよう工夫がされています。最後は穴に落ちて、粘着シートに落ちる仕組みです。粘着シートには、コバエが好むオレンジと黄色のコントラストを採用し、嗅覚だけでなく視覚からも誘い出します。
効果は約1か月続き、殺虫成分は使用していないので、キッチン周りや冷蔵庫、ゴミ箱、流し台など食品の近くでも使用できます。
■カモ井 吊るすだけ 粘着式ハエ取り
「吊るすだけ」の簡単手順で、コバエなどに抜群の誘引効果を発揮します。
幅5.5cmと太くて長い黄色の超強力粘着式リボンは、屋内外を問わず使用可能。3巻入なので、コバエの発生が気になる箇所にいくつか吊るすとさらに効果が期待できます。
コバエを駆除する方法番外編:めんつゆで駆除!?
ショウジョウバエを今すぐに駆除したいという方は、何と自宅に常備してあることが多い「めんつゆ」を使ってトラップを作ることができるのです。
用意するもの
- 空のペットボトル(コンビニエンスストアの冷やし中華などの容器でも良い)
- 水(酢でも良い)
- めんつゆ
- 食器用洗剤
①まず、ペットボトルを底から3cmくらいのところでカットします。
②カットしたペットボトルに、水とめんつゆを約1:1の割合で混ぜ合わせて入れてください。
③よく混ざったら、食器用洗剤を3〜5滴たらします。
あとは置いておくだけで、数日間効果を発揮します。
ペットボトルをカットせずに、コバエが入れる程度の穴を開けて作る方法もあります。
ただし、この「めんつゆトラップ」を放置しすぎると、ショウジョウバエが卵を産んでしまう可能性があり逆に虫が湧いてしまうので、長期間の使用は避けてください。使用の目安は、7日間前後です。
めんつゆを処分する際は、そのまま排水溝に流すのではなく、新聞やタオルなどに吸わせてからビニール袋に入れて処分しましょう。流してしまうと排水溝が汚れてしまいますし、めんつゆに卵が入っていた場合に卵からコバエが発生する可能性があります。
コバエはにおいの強いものに集まる習性があるため、まずめんつゆの甘いにおいでおびき寄せ、そのあと食器用洗剤で退治・駆除するという仕組みです。
コバエを発生させないための対策
コバエは繁殖能力が高く、一度の産卵で数十個から数百個の卵を産むことができます。さらに、その卵から生まれたコバエがあちこちに広がり短期間で産卵をおこなえるため、一度産卵されてしまうと大量発生の原因となる可能性があります。
コバエが発生する場所には、必ずコバエが好む理由が潜んでいます。まずは、この理由を取り除くことが重要です。コバエの大量発生を防ぐために、次のような対策をおこなってみましょう。
ゴミの処理はこまめにおこなう
コバエはゴミを好むので、最もコバエが発生しやすいゴミの処理は適切におこないましょう。コバエの中には、生ゴミに卵を産み付ける種類もあります。
ゴミをため込まない、生ゴミをゴミ箱に捨てる時は小さいビニール袋に入れてから捨てる、生ゴミを入れるゴミ箱にはふたを付けるなどゴミ捨てを工夫するのがおすすめです。三角コーナーを使っている方は、なるべく高い頻度で交換するようにしましょう。
特に夏場はゴミの腐敗が早く進むので、こまめに捨てることが大切です。
野菜や果物、料理は常温で出しっぱなしにしない
食材を常温で出したままにしておくと、食材からにおいが出るためコバエが集まりやすくなります。冷蔵庫に保存するか、常温で保存する場合は新聞紙に包んで冷暗所に保管するなどコバエを寄せ付けないようにしましょう。同じ理由で、醤油やみりん、料理酒、油などの調味料は、密閉容器に入れて保管することをおすすめします。
また、食事が終わったあとの食器は、できるだけすぐ洗うようにしましょう。コバエは残飯にも集まりやすくなります。
排水溝はこまめに掃除する
コバエが出てきた箇所は、汚れがたまってきたことを表します。特に排水溝は汚れがたまりやすい箇所なので、こまめに掃除しましょう。
また、排水溝周りだけでなく排水管も定期的にパイプクリーナーなどを使用してしっかり掃除しましょう。排水管にたまった汚れにコバエが寄り付くのを防ぐことができます。
観葉植物もこまめに状態を確認する
観葉植物は、水をあげすぎると根腐れを起こし、コバエが集まる原因となります。水は適量与えるようにし、時々根腐れが起きていないか確認しましょう。
受け皿に水がたまっている、土がじめじめしている、有機肥料を与えた直後の時期などにコバエも発生しやすくなります。水やりをする時は霧吹きを使うといいでしょう。
もし観葉植物にコバエがたかっていたら、掃除機などで吸い取るか、数が多い場合は土ごと取り替える必要があります。また、植物の周りにある卵はそのまま取り除く、掃除機で吸い取る、鉢ごと水に沈めて卵や幼虫を浮かせて取るなどの方法があります。
水回り全体を清潔に保つ
コバエは、キッチンだけでなく、家の中のあらゆる水回りに発生する可能性があります。トイレや洗面所、お風呂などの汚れは、人間の垢や脂汚れ、シャンプーや石鹸の泡の残りが付着しているものです。これをコバエが好んで寄り付くことで、数が増えていくことにつながってしまいます。
水回りには、排水溝や排水管、下水管、ゴムパッキン、ホースなど汚れがたまりやすい箇所が多くあります。これらの箇所は、普段は汚れていることに気づきにくいのですが、湿気とともに汚れも蓄積されやすいのです。洗浄剤を使ったり、こまめに汚れを取り除いたりして、常に清潔な状態にしましょう。
また、お風呂は出る際にお風呂全体に40度前後のお湯をかけて、洗剤や皮脂汚れの残りを流します。その後冷水をかけ、お風呂全体の温度を下げましょう。カビの発生を防ぐことができます。
まとめ
コバエは、一度発生してしまうと、駆除するのにかなりの手間がかかりますが、決して放置することなく早めに対処することが大切です。また、あらかじめ対策をとっておくことでコバエの発生を防ぐことができます。
普段から家の中を清潔に保つとともに、今回ご紹介したコバエ駆除のグッズと対策グッズを使って、コバエのいない快適な日々を送りましょう。