1.今が季節!美しい果物「ぶどう」の基本
夏~秋にかけて旬を迎えるぶどう。
家庭で食べるのはもちろん、贈答用としての需要も高く、また「ぶどう狩り」などアクティビティとしても楽しむことができるため、その存在を身近に感じている方も多い果物ではないでしょうか。
ここではまず、そんなぶどうの基礎知識や起源をご紹介します。
ぶどう(葡萄)について
ぶどう(葡萄)は、樹高が3m以上になるつる性の果樹で、果実を食べるだけでなく日よけや垣根として民家の庭に植えられることもあります。
ヨーロッパを原産とする欧州種(ヴィニフェラ種)、アメリカを原産とする米国種(ラブルスカ種)、それらの交雑種などがあり、多くは8月~10月上旬に収穫期を迎えます。
耐暑性は強いものの、病気や害虫対策がそれなりに必要ですから栽培難易度はやや高めです。
生食用と加工向きの品種があり、後者は主にワイン、ぶどうジュース、レーズンなどに加工されて利用されます。
世界的な果実!ぶどうの起源を探る
ぶどうは古くから栽培されていた果物で、紀元前3000年頃には原産地のひとつのコーカサス地方やカスピ海沿岸などで欧州種が栽培されていたとされています。
ワイン生産の歴史も古く、メソポタミア文明や古代エジプトでもワインが楽しまれていました。
古代ギリシアではワインのためのぶどう栽培が既に始められており、続くローマ帝国時代にはワインが国中に普及して、そのためのぶどう栽培も各地に広がりました。
ギリシア神話のディオニュソス、ローマ神話のバッカスはワインを司る神で、このことからもワインが人々の間に広く浸透していたことが分かります。
この時代にローマ帝国によりぶどうが持ち込まれたフランスやドイツ西部のライン川沿岸一帯は今でもぶどう生産の主要地域です。
11世紀から13世紀にかけての世界の気候温暖化に伴い、ぶどう栽培はイングランドやベルギーのようなヨーロッパ北部までいったん広がりましたが、14世紀になって気候が寒冷化へ向かうと、ぶどうの栽培も徐々にヨーロッパ南部に限定されていきました。
15世紀半ばからの大航海時代には、ヨーロッパ人によってアフリカ、アメリカ、アジア各地にぶどうが持ち込まれます。
この時代にぶどうが持ち込まれた南アフリカ共和国のケープ州や南米のチリではワインの原料となる欧州種のぶどう栽培が成功し、現在に続くワインの名産地になっています。
一方の北アメリカでは、元々あった米国種の独特な風味がワインの原料には向かなかったため、ワイン生産に向いた欧州種を持ち込んで栽培する試みが行われました。
しかし欧州種はブドウネアブラムシなど米国特有の病害虫に対して免疫がなく大きな被害が出たため、このときの導入は失敗に終わっています。
その後、病害に耐性を持つ米国種を台木として欧州種を接ぎ木する方法が発明され、欧州系品種の栽培が可能になり北アメリカでもワインの製造ができるようになりました。
このように、ぶどうは生食やワインなどの形で人々に古くから親しまれ、5000年以上の歳月をかけて世界中に広がり愛され続けてきた果物なのです。
日本におけるぶどう栽培の歴史
日本では、東アジア系の欧州種ぶどうが中国から輸入され自生し、甲州種として古くから親しまれてきました。
鎌倉時代初期の13世紀頃に現在の山梨県甲州市付近で栽培が始まり、江戸時代までこの地域の特産品として扱われていました。
欧米の品種が次々と持ち込まれるようになったのは明治時代です。
しかし、乾燥を好むワイン向き欧州系品種は湿度の高い日本の気候に適応することができず、明治時代に試みられた欧州種の栽培はほとんどが失敗に終わっています。
一方、米国種は日本の環境には合っていましたが「フォックス臭」と呼ばれる独特の風味があるためワイン向きではなく、生食用としての栽培が中心でした。
ぶどうの生産量は第二次世界大戦を挟み一時激減したものの、1955年(昭和30年)には戦前の水準にまで回復しています。
2.ぶどうの主な品種(種類)
ぶどうには、たくさんの品種があるのをご存じですか?
見た目の色でも黒・濃い紫系、赤系、青緑系と3系統に大別することができます。
これはアントシアニンと呼ばれる色素の蓄積の違いから生まれます。
今回は色ごとにぶどうの種類と、その特徴を紹介していきます。
どの種類のぶどうを買えばよいか迷ったときには、ぜひ参考にしてくださいね。
3.黒い(濃い紫)色のぶどうの種類
巨峰
「巨峰」(きょほう)は日本で最も栽培面積が多い品種で、生食用として親しまれ贈答用にも広く使われてきた日本のぶどうを代表する人気銘柄です。
実の直径は500円硬貨大と大きめで、濃い紫色の皮に包まれた淡い黄緑色の果肉は甘みが強く、果汁も豊富です。
静岡県で欧州種と米国種を交配させて1940年代に作られた品種で、開発当初は「石原センテニアル」の名称でした。
その後、富士山の姿にちなんでつけられた商品名「巨峰」が一般に広く普及したため、現在では「巨峰」の名称が定着しています。
旬は8~9月です。
ピオーネ
ピオーネはイタリア語で「開拓者」という意味で、1957年(昭和32年)に静岡県で「巨峰」と欧州系品種の「カノンホールマスカット」を交配し作出されました。
巨峰と同じく濃い紫色の皮と淡い黄緑色の果肉で、巨峰より一回り大きく1粒15~20gとボリュームたっぷりで食べ応えがあります。
甘さと酸味をバランスよく兼ね備えた味は巨峰よりさらに濃厚で、さわやかで上品な香りも楽しめます。
現在は多くが種なし処理をされて出荷されます。
旬は8~10月頃です。
キャンベル・アーリー
米国種の「ムーア・アーリー」に「ベルビダー」と「マスカットハンブルグ」の交雑種を掛け合わせて19世紀末に米国で作出された品種です。
日本には1897年(明治30年)に導入されました。
果皮は黒紫色で果粒は5~6gと小さめです。
甘酸っぱく濃厚な食味で、米国系種独特の強い香りがします。
柔らかくて汁気が多いため、日本では生食のほかジュースやワインの原料としてもよく使われます。
旬は8~9月です。
マスカット・ベーリーA
欧州系の「マスカット・ハンブルグ」と米国系種の「ベーリー」を交配して新潟県で作出され、1940年に発表された日本のぶどうです。
寒さや湿気にも強く、赤ワイン用のぶどうとしては日本で最も多く栽培されている品種です。
糖度20度と甘みが濃厚で日持ちもよく、生食用としても人気があります。
旬は8~10月です。
スチューベン
「ウェイン」と「シェリダン」の米国種同士を掛け合わせて米ニューヨークの試験場で作られた米国産の品種です。
果粒は3~5gの大きさで、酸味の少ないはちみつのような濃い甘みが特徴で、糖度も約20度と高いことから貯蔵にも向いています。
寒冷な気候を好むため、日本ではニューヨークと緯度が近く気候が似ている青森県を中心に、東北地方で栽培されています。
旬はは10月~2月です。
藤稔(ふじみのり)
「ピオーネ」と「井川682」を掛け合わせて神奈川県藤沢市で育成されたぶどうです。
果粒は20g前後と大きめで迫力があり、ほどよい酸味と甘みを楽しめます。
皮を剥がしやすく食べやすいので人気があります。
「大峰(たいほう)」は山梨県産の藤稔のブランド名です。
旬は8月頃です。
ナガノパープル
「リザマート」と「巨峰」を交配して長野県須坂市で作られたぶどうで、長野県が「種なし・皮食の黒ぶどう」として普及に力を入れている品種です。
香りのよい大粒ぶどうで、種がなく皮もそのまま食べられるのが大きな特徴です。
酸味が少なく、皮の渋みが合わさることでバランスのよい味わいになっています。
旬は9月~10月です。
4.赤い色のぶどうの種類
デラウェア
日本で最も生産量の多いぶどう品種で、種なしの赤ぶどうとして有名です。
米国内で発見された米国系種と欧州系種の自然交雑種とされており、果汁が豊富で糖度が高く、皮がむきやすく食べやすいことが特徴です。
病気や寒さにも強く、国内に流通するぶどうの品種が限られ、巨峰が主に贈答用のみに使われていた時代でも、デラウェアは手頃な価格で流通しており、家庭でも広く親しまれてきました。
旬は7~8月で、ハウス栽培のものは5月頃から市場に出回り始めます。
赤嶺(せきれい)
「甲斐路」の枝変わり(枝のみの突然変異)として山梨県で発見された品種で、甲斐路より早く熟すことから「早生甲斐路」とも呼ばれます。
1粒10g前後で、糖度が高く多汁でほどよい酸味もあります。
日持ちもよく全国で流通しています。
旬は9月上旬頃です。
安芸クイーン
「巨峰」を自家受粉させて広島県で選抜育成された赤いぶどうです。
交配から20年の歳月をかけて品種登録されました。
巨峰に匹敵する大粒の果肉は甘みが強く、皮がやや薄いため、むかずにそのまま食べることもできます。
旬は8~10月頃です。
甲斐路
山梨県特産の「赤いマスカット」と呼ばれる品種で、欧州種の生食用品種「フレーム・トーケー」と「ネオ・マスカット」の交配から生まれた欧州系品種です。
さわやかなマスカットの香りに、コクのある豊かな甘みがあり、口触りもみずみずしく赤系ブドウの代表的な存在です。
貯蔵性が高く、輸送中に実が落ちにくいため、秋の産直ブドウの中心的な存在でもあります。
旬は9~10月頃です。
ゴルビー
「レッドクイーン」と「伊豆錦3号」を掛け合わせて山梨県で1980年代に作られたぶどうです。
品種名は当時活躍していたソビエト連邦(現ロシア)の最高指導者、ミハイル・ゴルバチョフ氏の愛称にちなんでつけられました。
多くは種なしぶどうとして処理され出荷されています。
1粒20gにもなる大粒の果粒は赤く見栄えがよく、贈答品としても人気が高まっています。
旬は8月下旬から9月頃です。
ルビーロマン
石川県オリジナル品種の赤い大粒ぶどうです。
黒色ぶどうの「藤稔」の自然交雑実生から繰り返し選抜され、1990年代に作出されました。
特徴はなんといっても、巨峰の2倍サイズの大きな赤い粒です。
特有のよい香りがあり、さわやかな甘みがあります。
石川県の誇るブランドとして、厳しい選抜を経て、産地名、生産者名を記入したシールを貼って出荷されています。
旬は8月下旬頃。
紫苑(しえん)
「紅三尺」と「赤嶺」を掛け合わせて作られた品種です。
果皮は深い赤色で、甘味と酸味のバランスがよくジューシーでさっぱりした味わいです。
柔らかく独特の食感があり、大粒で種がなく食べやすいぶどうです。
収穫時期がやや遅めで、出回るのは10月~12月と冬でも楽しめます。
クイーンニーナ
「安芸津20号」と「安芸クイーン」の交雑種を選抜育成して、2011年に品種登録されたばかりの新品種で、美しい赤色の大粒ぶどうです。
果粒の大きさは約17gで、糖度が高く、酸味は少なめ。
種なし処理が可能で、歯切れのよい硬めの食感も優れています。
旬は8月下旬から9月上旬で、巨峰やピオーネより収穫期が遅く、新たな大粒種なしぶどうとして大きな期待が寄せられています。
竜宝(りゅうほう)
「ゴールデンマスカット4X」と「クロシオ」の交雑から生まれ、1980年(昭和55年)に品種登録されました。
柔らかい果肉で果汁が豊富な大粒の赤ぶどうで、デラウェアを大きくしたような味わいがあります。
実が房から落ちやすく、市場には出回りませんが観光農園や直売所などで人気がある品種です。
旬は8月中旬から下旬です。
5.青緑色のぶどうの種類
ナイアガラ
「コンコード」と「キャッサデー」を掛け合わせて19世紀末に米ニューヨーク州ナイアガラで生まれた品種です。
果粒は小さめで甘くて香りがよく、果皮は黄緑色で果肉は白色です。
皮が薄く長距離輸送には向かないので、主に産地周辺で消費、加工されています。
生食のほか、ワインやジュースにも多く加工されています。
旬は8月下旬頃です。
シャインマスカット
「安芸津21号」に「白南」を掛け合わせて育成された緑色の大粒ぶどうで「スチューベン」「甲斐路」などもルーツに入っています。
上品な甘さと香りを併せ持ち、歯ごたえのよい果皮が食感に優れますが、薄いのでむかずに食べることができます。
種なし処理がされて出回っており、価格も手頃なため人気品種に成長しています。
旬は8月から9月下旬です。
ロザリオ・ビアンコ
「ロザキ」と青緑色のぶどうの代表品種「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を掛け合わせて山梨県で作られ1987年(昭和62年)に品種登録されました。
1粒8~15gの卵形で、房は大きめです。
粒が房から離れにくいため、輸送にも有利で全国に流通しています。
香りはありませんが、酸味が少なめの上品な甘みが特徴で、青緑色系のぶどうではシャインマスカットに並ぶ人気の品種です。
旬は9月頃です。
マスカット・オブ・アレキサンドリア
日本では「マスカット」といえばこの品種で「アレキ」とも呼ばれ親しまれてきたぶどうです。
北アフリカ原産の非常に古い欧州種で、古代エジプト女王のクレオパトラも愛していたとされています。
1886年(明治19年)に日本に持ち込まれ全国で栽培が試みられましたが、定着したのは岡山県のみで、現在も日本での生産量の9割以上が岡山県で栽培されています。
最大の特徴は香水にもなぞらえられる上品な「マスカット香」です。
エメラルドグリーンの美しい粒は、ほどよい酸味が口いっぱいに広がる芳醇な味わいがあり「緑色の宝石」「果物の女王」とも呼ばれ、高級贈答品としても珍重されました。
旬は9月中旬から10月頃です。
ネオ・マスカット
「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と「甲州三尺」の交配種から育成された品種で、「ネオマス」とも呼ばれます。
10g程度の粒で親種のアレキサンドリアよりやや小ぶりですがアレキサンドリアに似たよい香りがあり、酸味は少なめです。
ハウス内を温めて栽培する加温栽培が必須のアレキサンドリアに比べ栽培がしやすく、手頃な価格で出回って定番のぶどうとなりました。ワインなどにも利用されています。
旬は9月頃です。
瀬戸ジャイアンツ
「グザルカラー」と「ネオ・マスカット」の掛け合わせで作られ育成された品種です。
20g前後の大きめの粒は、シャボン玉を3つ繋ぎ合わせたような独特な形をしています。
香りは微かで、皮はぱりっとした弾けるような食感で皮ごと食べるぶどうです。
酸味は控えめ、糖度は18度前後と高く、ほどよい渋みがアクセントになっています。
旬は9月~10月初旬です。
翠峰(すいほう)
黒紫色の「ピオーネ」と黄緑色の「センテニアル」を掛け合わせて作出され、1996年(平成8年)に登録された福岡県生まれの新品種です。
果実は楕円形で、酸味は抑えめでマイルドな味わいがします。
皮は薄めで皮ごと食べることもできます。
旬は8月下旬。
白峰(はくほう)
「巨峰」の自然交雑から選抜育成された品種で、巨峰由来の品種としては珍しい青緑色のぶどうです。
味や食感は巨峰に似ており、果肉はやや柔らかめで渋みがなく、すっきりした味わいです。
主な生産地は山梨県ですが、 生産量が少なめで、店頭で見かけることが少ない珍しい品種です。
旬は8月下旬から9月上旬頃です。
6.栄養豊富!ぶどう(葡萄)に含まれる6つ成分とその効能
近年ではワインが健康食品としても注目されていますが、ワインの原料のぶどうには健康維持に欠かせない栄養がたくさん含まれています。
今回はぶどうに含まれる6つの栄養素を取り上げ、効能をご紹介します。
ブドウ糖|疲労回復
ブドウ糖は自然界に最も多く存在する代表的な糖で、体内でそのまま吸収され血中に取り込まれるため、エネルギーとして即効性があり素早い疲労回復に効果を発揮します。
また、脳の主なエネルギー源はブドウ糖です。ブドウ糖がたっぷり含まれたぶどうを大事な試験や会議の前につまむのもおすすめです。
ポリフェノール|血管の老化を防ぐ
ポリフェノールは植物が自分自身を紫外線による酸化ダメージから守るために作り出す抗酸化物質で、有害な活性酸素を無害にする作用があります。
色素や苦みを持つ成分で、コーヒー、お茶、チョコレートなどに多く含まれています。
ぶどうの皮に含まれる色素のアントシアニンも代表的なポリフェノールのひとつで、動脈硬化や老化を防いだり、炎症を抑えたり、視力を回復させる効果があるとされています。
ポリフェノールのほかにも、ぶどうには身体によい成分があります。
ぶどうの苦み成分はお茶などにも含まれるタンニンで、美肌効果があるとされています。
また、赤ぶどうに多く含まれるレスベラトロールは、がんのリスクを低減させたり脳機能の効果を改善したり、長寿遺伝子の活性化に役立つとする研究報告もあります。
有機酸|腸の健康
塩酸、硫酸などの無機酸に対し、有機化合物でできた酸が有機酸です。
お酢の酢酸、柑橘類のクエン酸など、食べ物の酸っぱい味は有機酸に由来しています。
ぶどうには有機酸のうち、酒石酸とリンゴ酸が多く含まれています。
酒石酸には疲労回復や整腸作用などの効果があるとされています。
また、収れん作用や皮膚の弱酸性を保つ働きがあり、化粧水や皮膚の古い角質を除去するケミカルピーリングなどにも使われています。
また、毛髪の成長を促す作用があることが知られています。
リンゴ酸には疲労物質の乳酸を分解する作用があり、また、歯のホワイトニング効果があるとされ歯磨き粉にも使われています。
ビタミン|免疫力をサポート
ぶどうに含まれているビタミンは主にビタミンB群とビタミンCです。
ビタミンB1は糖代謝促進に深く関わっており、不足すると疲労物質が蓄積しやすくなります。
ビタミンCは身体を構成するコラーゲンの合成に大切な役割を果たしており、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
そのほかにも、メラニン生成を抑制する美白効果や、風邪を予防したり免疫力を高めて病気を予防したりする効果もあるとされています。
ミネラル|高血圧の予防に
ぶどうには、余分な塩分を排出する成分として注目されているカリウムが多く含まれています。
この作用により血圧を抑えることができると言われているため、高血圧の予防効果が期待できます。
そのほかにも、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルをバランスよく含んでいます。
ペクチン|生活習慣病の予防に期待
水溶性食物繊維の一種であるペクチンは、整腸作用があり、下痢や便秘を改善するという効果がよく知られています。
また悪玉と呼ばれている血中のLDLコレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化や糖尿病など生活習慣病の改善にも効果があるとされ注目を浴びています。
7.長持ちする「ぶどう」の保存方法
ぶどうは外皮が柔らかく、あまり日持ちのしない果物ですから、なるべく早めに食べ切るようにしましょう。
しかし、頂き物などで食べ切れず残してしまうこともあるでしょう。
ここではぶどうの適切な保存方法についてご紹介します。
まずは、房のまま保管する方法があります。
この場合は房に重みがかからないように1房ずつ新聞紙やポリ袋でくるんで乾燥を防ぎ、冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保管するとよいでしょう。
ぶどうの果皮についている白い粉(ブルーム)は鮮度を保つ働きがありますので、洗うのは食べる直前にしましょう。
少しでも長く保存したい場合には、房から粒を切り離して保存するのがおすすめです。
房から粒を1つずつキッチンバサミでカットして、保存用の袋や密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
粒を手でちぎり取ると実に穴が開いて果汁がしみ出し、傷みが早くなります。
実の軸(小果柄)を少し残すようにしてハサミで切り取るとよいでしょう。
軸を残してフタをしておけば乾燥を防ぎ鮮度が保つことができます。
さらに長く保存したいときは冷凍保存もできます。
房から切り離した粒の形で冷凍し、食べるときに水で洗って表面を少し溶かしてあげれば、皮がするりとむけて、シャリシャリとしたシャーベット状のぶどうを楽しむことができます。
8.ぶどうを堪能できる料理レシピ
ぶどうは食後のデザートやおやつとして生で食べることが多いでしょう。
しかし、一手間かけて料理すれば、いつもとは少し違ったぶどうの楽しみ方ができます。
例えばぶどう大福のような凝ったレシピもありますが、今回はシンプルにぶどうを堪能できるレシピをご紹介します。
ぶどうゼリー
簡単で華やか、見た目も涼しげで夏にぴったりなぶどうゼリーの作り方をご紹介します。
ここでは皮ごとそのまま食べられる種なし大粒ぶどうの、緑色のシャインマスカットと紫色のナガノパープルを使います。
緑と紫の色と味のハーモニーを存分に楽しめます。
- 材料(直径15cm程度で深さがある丸皿)
・シャインマスカット・・・約1房
・ナガノパープル・・・約2分の1房
・アガー・・・15g
・グラニュー糖・・・30g
・水・・・400ml(カップ2杯)
- 作り方
1.シャインマスカットとナガノパープルを房から外し、1粒ずつ円形の深皿に並べる。
2.アガーとグラニュー糖を水に溶かし沸騰させる。
3.2の粗熱が取れたら1に2を流し入れ、冷蔵庫で約2時間冷やして固める。
ぶどうは皮ごと食べられるものならどの品種を使ってもOKです。
自分の好きな味を追求するのも楽しいですね。
ぶどうのタルトケーキ
あふれ出すほどのジューシーな果汁とサクサクのタルト生地との相性が抜群です。
- 材料(16cmタルト型)
★タルト生地
・卵黄・・・2個分
・無塩バター・・・50g
・粉糖・・・25g
・薄力粉・・・100g
・アーモンドプードル・・・10g
・バニラビーンズ(中身)・・・1/4本★カスタードクリーム
・牛乳・・・150ml(カップ3/4杯)
・バニラビーンズ(さやの部分)・・・1/4本
・全卵・・・1個
・卵黄・・・1個分
・グラニュー糖・・・40g
・薄力粉・・・15g
・無塩バター・・・15g★生クリーム・・・200g
・グラニュー糖・・・14g★種なしぶどう・・・適量
- 作り方
1.まず生地を作る。薄力粉とバターは冷蔵庫で前もって冷やしておく。薄力粉、2cm角ぐらいに切ったバター、粉糖、アーモンドプードル、バニラビーンズをフードプロセッサーに入れて、様子を見ながら小刻みに回す。バターの塊がなくなりパン粉のようにさらさらになるまで混ぜる。
2.バターと粉が混ざったら卵黄を加え、全体がまとまるまでフードプロセッサーを回す。
3.生地を取り出してひとまとめにし、冷蔵庫で最低1時間休ませる。
4.取り出した生地をめん棒でのばし、型に乗せて整形。フォークで穴を開け、冷蔵庫で30分ほど冷やす。
5.カスタードクリームを作る。ボウルに全卵と卵黄を入れグラニュー糖と混ぜた後、薄力粉を加える。
6.温めた牛乳を少しずつ加えながら混ぜ、裏ごしして焦げないよう気をつけながら加熱する。
7.カスタードクリーム状に固まってきたらバターを加える。
8.オーブンを150℃に予熱して、4の生地を20分焼く。
9.生クリームにグラニュー糖を加えてホイップし、半量分はカスタードクリームに混ぜ合わせてクレームディプロマートを作る。クレームディプロマートをタルト生地に盛り付ける。
10.クレームディプロマートの上にぶどうと生クリームを飾り付ける。
さらに、ぶどうにゼラチンを溶かしたものを塗ると、宝石のようにキラキラ光るつやを出すことができます。
食べるのがもったいなくなってしまうかも。
ぶどうジャム
ぶどうは甘みが強く、ジャムのとろみ成分であるペクチンを豊富に含むので、ジャム作りにも向いています。
ジャムならぶどうの味を長く楽しめます。
ぶどうが酸っぱくて食べにくいときは、ジャムを作ってみたらいかがでしょうか?
- 材料(180ml保存瓶3個分)
・ぶどう(巨峰など好みの種類)・・・800g
・グラニュー糖・・・300g
・レモン汁・・・小さじ1
- 作り方
1.ぶどうを洗ってザクザク切り、ホーローや厚手のステンレス鍋など耐酸性の鍋に入れ、中火で約20分煮る。
2.皮が柔らかくなったらグラニュー糖を2回に分けて加えて、アクを取り除きながら煮る。
3.好みの硬さの少し手前、ゆるめの状態で火を止めレモン汁を加える。
4.ひと煮立ちして出来上がり。
アクはこまめに取り除かないと渋みが出てしまうので注意しましょう。
9.リピーター続出!「ぶどう」の人気商品売れ筋ベスト3
贈答品のぶどう【人気ベスト3】
贈答用の果物の中でも味、高級感、消費のしやすさなど様々な点から人気の高いぶどう。
手軽にWowma!で買えてしまう、高級ぶどうをご紹介。
【贈答用】ぶどう『デラウェア』約2kg 山形県産
果物王国の山形県から産地直送される食べやすさとおいしさに定評のあるデラウェアです。
施肥、水やり、袋がけ、防鳥対策、収穫後の果樹の手入れに至るまで一つ一つ手をかけて大切に育てられた逸品。
少しずつ何度かに分けて楽しめるのは小ぶりのデラウェアならではの魅力です。
【贈答用】ぶどう『オリンピア』約1kg 山形県産 3~4房入り
「はちみつぶどう」とも呼ばれ、20度以上の糖度があります。
オリンピアの名前はオリンピックの聖火のような鮮やかな紅色から来ています。
長らく幻の品種とされていましたが、現在では生産量が増えて、手の届きやすい価格になってきました。
贈り物として最高の一品です。
【贈答用】大粒ぶどう『ピオーネ』約1.2kg 山形県産 2房入り
巨峰とマスカットの長所を併せ持ち、人気急上昇中のぶどうがピオーネです。
イタリア語で「開拓者」という意味の名の通り、ぶどうの食味の新たな領域を切り拓く存在です。
濃い紫色の粒は非常に大きく1粒20g程もあり高級感があるぶどうです。
贈答用にも最適です。
ぶどうジュース【人気ベスト3】
ぶどうジュースは子どもから大人まで気軽に楽しめる飲み物です。
自宅で楽しむのもよし、来客にお出しするのもよしの人気ぶどうジュースをご紹介します。
カルピス|Welch’sウェルチ|カルピス Welch’sウェルチ コンコードプレミアム 500mlペットボトル 24本入
ポリフェノール含有量の多いジュース用最高品種、コンコード種のぶどうを使ったぶどうジュースです。
濃厚な味わいと芳醇な香りは、疲れたときの一休みにぴったりです。
アルプス|ワイナリーこだわりのグレープジュース 赤 6本入
その名の通り素材にこだわり抜いて作られたぶどうジュースです。
コンコード種に赤ワイン用3大品種のカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワールをブレンドしています。
質の高い味わいをぜひ楽しんでください。
アルプス|旬摘|信州ぶどうコンコードジュース 1L瓶×12本入
長野県産のコンコード種を100%使用した、濃縮還元していないストレートジュースです。
アルプス独自の搾汁工程により、コンコード種の特性を最大限に生かした風味と色合いのジュースに仕上がっています。
自信の一品です。
レーズン(干し葡萄)パン【人気ベスト3】
天然酵母パン|くるみパン&レーズンパン|自然素材
「信州の名水・秘水」に認定された長野市大岡地区のブナ林の自然湧水「お種池(おたねいけ)の水」を使って天然酵母で仕込んだパンです。
カリフォルニア産の有機レーズンと有機クルミを使い、きび糖とフランス産天然海水塩を使った岩手産、北海道産などの国産小麦100%のパンです。
卵、乳製品、油脂類は一切使っておらず、低温長時間発酵で3日間かけて仕上げられたパンは、キメが細かくズシリとした質感で、小麦の風味がしっかりと感じられます。
フランス|冷凍パン|ブリドール ミニ パン オ レザン 30g×260個
カスタードクリームと干しぶどうがたっぷり入ったフランスの伝統的なデニッシュ、パン・オ・レザンの特大冷凍パッケージです。
ブリドール(BRIDOR)社はフランスのブルターニュ地方で、伝統製法に基づいて、厳選された原料と最新のテクノロジーで高品質のヴィエノワズリーとパンを製造している冷凍ブーランジェリーのトップメーカーです。
品質で高い評価を受けており、世界各地の高級ホテルやレストランでも使われています。
冷凍品なので、食べたいときに食べたい分だけ焼き立てを食べられるのも魅力です。
山村食品|レーズン&レパン
山村食品のレパンシリーズで一番人気の商品です。
フランスパンにレーズンバタークリームを贅沢に詰め込んだ逸品です。
カリフォルニア産の干しぶどうと、口当たりのなめらかなバタークリームを心ゆくまで楽しめます。
絶妙な取り合わせがコーヒーや紅茶によく合います。
ウイスキー、ブランデーなど洋酒に添えるオードブルにも最適です。
10.まとめ
ぶどうは古くから世界中で親しまれてきた果物のひとつで、生で食べてもおいしく、レーズンやワインとしてもいろいろな楽しみ方ができる奥の深い食べ物です。
大切な人へのお礼の品に、自分へのご褒美に、日常の食卓に、ぜひぶどうを取り入れて楽しんでみてはいかがでしょうか?